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お知らせ  2021.03.12

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海外学生とオンライン授業で交流 コロナで留学困難…南山大のプログラム「COIL」

ロバート・キサラ学長が日米の学生をつないで実施したCOIL型授業=名古屋市昭和区の南山大で

ロバート・キサラ学長が日米の学生をつないで実施したCOIL型授業=名古屋市昭和区の南山大で

 新型コロナウイルスの感染拡大で海外留学が困難になる中、南山大(名古屋市昭和区)のオンライン学習プログラムが注目を集めている。その名は「COIL」。日本と海外の学生がビデオ通話アプリやメールなどを使ってオンラインでつながり、共に学んで理解を深める。南山大は17日、このプログラムを紹介するシンポジウムをオンラインで開く。 (芦原千晶)

 1月下旬、日本時間午前8時。パソコンの画面に南山大と、米国西部コロラド州のデンバー大の学生計27人の顔が次々と映った。デンバーは午後4時。南山大のロバート・キサラ学長(63)が受け持つ「現代米国社会における宗教」の授業がCOILで始まった。

 ほどなく、日米の学生5人ほどのグループに分かれての討論に。「日曜日には教会に行く?」と南山大の学生が質問すると、米国の女子学生が「家族とよく行ってたよ」と、自室のロザリオを画面上で掲げ、宗教が家族の絆になっている状況を説明。別の米国学生が「宗教上の理由でピアスが開けづらい」と打ち明け、南山大の学生たちが興味深そうに聴き入った。

 授業を受けた南山大外国語学部3年の松山絢香さん(21)は一昨年夏から米国に留学していたが、コロナの影響で昨年4月に緊急帰国した。「COILのような新しい形で、同年代の学生と直接話して意見を聞ける機会はうれしく貴重。親近感も持ったし、オンラインでの交流がもっと広がればいい」と声を弾ませた。

 南山大は、文部科学省の支援を受け、2018年秋からCOIL型授業を実施。20年度は米国やアジアなど約15の大学と連携し、日本語学習などに取り組む海外の学生と南山大の学生が共に学ぶ。

 簡単な文化交流の基礎編から、政治や経済など専門科目をベースに討論する応用編、企業の抱える課題を両国の学生が調べて解決策を提案する実践編まで、約40の授業を開講した。

 担当の藤掛千絵・特任講師(34)は「留学できない中、COIL型授業に関心を持つ学生は増えている」と語る。南山大は19年度、747人が海外に留学したが、20年度はゼロになった。

 20年度のCOIL型授業の履修者は532人で、昨年度の485人より増えた。選択科目の実践編では、20年度の履修者数が昨年度の約3倍になった。授業を機にラインやメールで個人的な交流を始める学生も多いという。

 17日のシンポジウムを前に山岸敬和・国際センター長(48)は「開講のノウハウを愛知県内の大学にも伝え、広げていきたい」と期待を込めた。

【COIL(国際協働オンライン学習プログラム)】 Collaborative(協働の)Online(オンライン)International(国際的)Learning(学習)の略。

 文部科学省は2018年度、南山大や東大など10大学を選定。COIL型教育を活用して海外の大学との交流を支援する事業を始めた。

(2021年3月12日 中日新聞夕刊7面より)

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