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お知らせ  2020.11.12

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AIの目 交差点危険度は 算出へ映像・ブレーキ音など収集 金沢工大 中沢教授ら実証実験

AIセンサーの実証実験に取り組む中沢実教授(右)ら

AIセンサーの実証実験に取り組む中沢実教授(右)ら

 交通事故の危険性が高い場所を地域の人に知ってもらうため、金沢工業大(野々市市)の中沢実教授(情報工学)の研究室が11日、金沢市四十万(しじま)町の交差点で人工知能(AI)センサーを使った交通データ収集の実証実験を行った。今後、他の交差点でもデータを集め、インターネット上で公開して民間の自発的な情報提供サービスの開発を後押しする。 (西浦梓司)

 この日データを集めたのは小学校に近い通学路で、交差点の計4カ所にAIセンサーを設置。通学時間に合わせ、中沢教授と学生3人が1時間ほどかけてデータを収集した。

 AIセンサーにはカメラや、音声を録音するマイクを搭載。交差点の映像を撮影し、乗用車やトラック、自転車、歩行者をAIで識別して、通行量などを記録した。さらに、音の発生場所も特定。AIを活用して、エンジン音やブレーキ音、子どもの声などを判別して、交通状況を詳しく把握した。

 中沢教授によると、映像を基に、交差点への車の進入速度や車間距離などを計測できる。こうしたデータを集めることで、過去に事故が多発した交差点と似た状況にあるかどうかが分かるようになるという。中沢教授は、データを基に地域住民の意見を加えることで時間帯ごとの危険度などを示す「ヒヤリハット度」の算出を目指す。

 実験は、金沢市がAI技術の促進事業の一環として、金沢工大に委託。他の交差点でもデータ収集を続ける。中沢教授は「安全性を確保するためには、客観的な数字が必要。地域で暮らすITに詳しい人に、データを活用してもらいたい」と話した。

(2020年11月12日 北陸中日新聞朝刊金沢版より)

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