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スポーツ  学生活動  2020.11.03

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東海学生選手権 学生主体で代替大会 元代表による解説 ネットで生中継

熱戦を繰り広げる選手=愛知県春日井市の中部大で

熱戦を繰り広げる選手=愛知県春日井市の中部大で

 大学ハンドボールの大会が軒並み中止になる中、東海地区の学生や指導者が企画した代替大会が始まった。「東海学生ハンドボール選手権」。新型コロナウイルス禍で、代替大会は少なくないが、学生が率先して動いた例は珍しい。メジャーとは言えない競技の地方大会とあなどるなかれ。試合のネット中継やショーアップ、ホームページの開設など作り込んだ内容になっている。(多園尚樹)

 「新型コロナがなかったら、こんな大会はやれなかった。逆に最高の思い出になると思う」。10月24日に大会開幕を迎え、東海学連総委員長で中部大4年の田中弘輔さん(21)は実感を込めた。

 企画がスタートしたのは8月下旬。大学生にとって最大の目標の大学選手権(インカレ)が中止に。春秋のリーグ戦も消滅。目標を失い、特に4年生の選手から学連スタッフに悲痛な声が多く届いた。

 「こんな気持ちで引退するのは嫌。せめて学生の思いだけでも、学連の理事たちに伝えることが大切なのでは」と田中さんは振り返る。ちょうど、理事も学生のために何かできないかと思案していたところだった。そこから約2カ月、毎週リモート会議で準備を進めて具現化した。

 準々決勝以降は動画投稿サイト「ユーチューブ」で生中継する。準決勝からは元日本代表選手による試合解説のほか、照明や音響などの演出で盛り上げる。各試合で最も活躍した選手などをマンオブザマッチとして選出、「陰の立役者」と題して普段は光が当たりにくいマネジャーやサポートメンバーを表彰する企画も。卒業する4年生の記念に、顔写真入りの大会冊子も制作した。

 全国大会に勝るとも劣らない内容に仕上がった。理事で大同大の佐藤壮一郎監督は「できないことをあきらめるんじゃなく、できることを何とか考えてがんばる。大会開催を通じて、あきらめない大切さをあらためて再確認させてもらった」と話す。

 大会は毎週末、中部大を主会場に無観客で試合が行われ、11月8日に最終日を迎える。愛知、岐阜、三重、静岡、滋賀県から約20の大学が出場。「新型コロナの感染者が出ずに大会が無事に終わって成功だけど、まずは始められた。しんどいけどがんばってきて良かった」と学連総副委員長の至学館大4年、荻田望美さん(22)は声を弾ませた。

(2020年11月3日 中日新聞朝刊24面より)

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