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中日新聞掲載の大学記事

2008.05.20

中部大 悲願の初V

創部43年目『楽しんで』壁破る
監督も夢心地

 愛知大学野球春季リーグ(中日新聞社後援)は第7週第3日の19日、愛知県春日井市の春日井市民球場で3回戦2試合があった。中部大が前週まで首位で並んでいた愛院大を下して勝ち点4とし、1部初優勝を決めた。

 中部大は4回、小西と寺村の適時打で2点先制。5回には、小川の適時打と敵失で3点を追加した。先発小笠原は完封で5勝目。愛院大は中1日で完投したエース小川を援護できず、4連覇を逃した。

 中部大は6月10日に神宮球場などで開幕する全日本大学選手権に出場。初戦は関西6大学リーグ代表の龍谷大と当たる。

 エース小笠原が両手を突き上げ、捕手の菅沼と抱き合った。次の瞬間、ナインがマウンドになだれ込んだ。創部43年目の悲願達成。「まだ信じられない」。就任28年目で栄冠を手にした善久監督は、宙に舞った後も半信半疑の面持ちだった。

 劇的な逆転弾でタイに持ち込だ最終戦。先制を許した過去2戦と対照的に、積極的に仕掛けた。愛院大・小川のフォークが来るカウントで走者を動かし、4回は立林と小西が盗塁。それぞれの直後に単打が出る理想的な形で2点を奪った。

 その姿勢が、普段は揺さぶる側に回る愛院大の焦りを呼んだ。5回、小川の右前打に2失策が重なって一、二塁走者に打者走者までが生還。覇権の移動を決定的にした。

 今季は右の小笠原、左の金丸と投の二枚看板が確立。打線も機動力に加え、4番江本が13打点を挙げるなど主軸が勝負強さを発揮した。「自分が楽しんで見ていれば選手も楽しくできる」と話す監督のもと、打撃の構えなどで個性を前面に出す選手らが、愛院大の壁を打ち破った。

 「監督を胴上げしようと部員が一丸になれた。東京でも勝ち進み、監督の母校の早大も倒したい」。小西主将はさらなる恩返しを誓った。(鈴木智行)

(写真)中部大−愛院大 春季リーグで優勝し歓喜の輪をつくる中部大のナイン=春日井市民球場で

(2008年5月20日 中日新聞朝刊21面より)
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