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中日新聞掲載の大学記事

2010.05.07

フェアトレードじわ〜り浸透 学生がイベント企画

■商品扱う店も増加中

 発展途上国の生産物を公正な価格で継続して買うことで作り手の生活を支え、無理な生産方法による環境破壊を防ごうという「フェアトレード」。生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が10月に開かれる名古屋市で、フェアトレードの活動に携わる人や商品を置く店がじわりと増えている。5月は「フェアトレード月間」。 (日下部弘太)

 「生活の仕方を変えるきっかけになれば」。フェアトレードなごや推進委員会のメンバーで南山大3年中村明日菜さん(21)は、8日に同市中区栄で開くファッションショーに期待を込める。

 農薬を最小限に抑え、土を守りながら栽培された木綿で織られた服をモデルがPRする。同会は10校ほどの大学の学生が参加し、昨年末に設立。今回が初の対外イベントだ。中村さんは「フェアトレードを知らない友達も多い。同世代にアピールしたい」と張り切る。

 コーヒーの輸入販売を手掛ける「フェアトレーディング」(同市西区)は1月、同市東区の住宅街に2店舗目を開いた。店内は熱帯雨林の広がるインドネシアやニカラグアのコーヒー豆をはじめ、雑貨がずらり。豆は森の中でコーヒーの木を育てる伝統的な方法で生産されている。「日常生活の一部になるよう、努力したい」と林口宏代表(36)。5、6月に3回の講座を開く。

 学生、社会人ら約20人で昨年発足した「名古屋をフェアトレード・タウンにしよう会」はホームページで、商品を扱う店を紹介。県庁から映画館、スナック、金物店にまで広がりを見せる。中心メンバーの土井ゆきこさん(62)は「フェアトレードという言葉を聞いたことがある人は増えた。次は内容を知ってほしい」。今月、展示やコンサート、映画上映などでPRする。

 ◇5月に名古屋で開かれる主なイベント ▽中区・SMBCパーク栄 ファッションショー&トーク(8日後3)▽東区・ウィルあいち 企画展「生物多様性とフェアトレード」(11〜20日)講演会とアンデス音楽演奏会(15日後3・30)▽中村区・JICA中部 座談会「フェアトレードを実践しよう」(9日後1・30)講演会「フェアトレードがつくる多様な世界」(22日前10・30)映画「おいしいコーヒーの真実」上映と講演(30日後1・30)

(写真)8日のファッションショーに向け、会場で相談するフェアトレードなごや推進委員会のメンバーら=名古屋市中区栄の「SMBCパーク栄」で

(2010年5月7日 中日新聞朝刊愛知総合版より)
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