進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > スポーツ

中日新聞掲載の大学記事

スポーツ  2019.12.31

この記事の関連大学

富士山女子駅伝 名城大 3年生エース加世田独走で連覇

2連覇を果たしスタンドに手を振る名城大の加世田(前列左から3人目)ら=富士総合運動公園陸上競技場で(木村尚公撮影)

2連覇を果たしスタンドに手を振る名城大の加世田(前列左から3人目)ら=富士総合運動公園陸上競技場で(木村尚公撮影)

■2年連続2冠!!「強い気持ちで走り切れた」

 全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝・静岡県富士宮市の富士山本宮浅間大社前発、富士市の富士総合運動公園陸上競技場着、7区間43.4キロ)が30日あり、名城大(愛知)が2時間23分9秒で2年連続2度目の優勝を飾った。最長10.5キロの5区で今夏のユニバーシアードハーフマラソン銀の加世田梨花(3年)が2人を抜いて独走態勢を築き、チームを2連覇に導いた。

■5区で2人抜き

 雨粒を蹴散らすように、3年連続でエース区間を任された加世田が疾走した。先頭から22秒差でたすきを受けると3キロ手前で2位に浮上。3.7キロ付近では先頭の立命大を抜き去り、並走するいとまも与えずぐんぐん引き離した。

 「これまでは8キロ過ぎで失速していた。今回は強い気持ちで走りきることができた」。区間賞の快走で、たすきを渡す時点では2位に51秒の大差をつけた。大勢はこの時点で決した。

 チームは不安を抱えていた。大会直前、加世田とともにユニバーシアードに出場した高松智美ムセンビ(2年)が右股関節を、和田有菜(2年)が左足底を痛めた。米田勝朗監督は「メンバーの入れ替えも考えた」

 2人は強行出場したが、本来の走りはできなかった。米田監督は「加世田のところで(ライバルの)大東大に詰められることも考えられたが、逆に離した」。加世田の踏ん張りが仲間を救った。

■自己管理へ意識

 1年の時からエース格。一方で駅伝で区間賞を取り逃がすなど殻を破りきれない一面もあった。米田監督は今春、休日に友人らと何度も食事へ出掛ける加世田をたしなめた。「おいしいものを食べるのもいいが、それで弱くなったら笑いものだぞ。中高生はおまえを目標にしているんだ」

 加世田は自己管理への意識を改め、全体練習後は居残りで腹筋や背筋を鍛えた。米田監督は「1年前とは違って体が絞れている」。今秋には5000メートルと1万メートルで自己ベストを相次いで更新。快走は必然だった。

 名城大は10月の全日本大学女子駅伝と合わせ、2年連続で「2冠」を達成した。しかも今大会の出場7選手は全員が3年生以下だ。来季主将を務める加世田は「私が覚悟をもって引っ張っていく」。新主将を中心に黄金時代はまだまだ続きそうだ。 (木村尚公)

■1年生コンビ 区間賞を獲得 4区・山本&6区・小林

 名城大では加世田に加えて、4区山本有真と6区小林成美の1年生コンビがそろって区間賞を獲得。優勝の原動力となった。区間新の快走でトップとの差を縮めた山本が「後半区間が楽な気持ちで走れるようにと思った」と胸を張れば、小林も「10月の全日本では納得いく走りができなかった。悔しさをバネに練習してきた」。加世田、高松、和田の3本柱を追いかけるように1年生が力をつけ、スキのない布陣が出来上がった。

(2019年12月31日 中日スポーツ6面より)

戻る < 一覧に戻る > 次へ