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学生活動  2019.02.28

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70歳、院修了 絵画探求は続く 豊田の小笠原さん 制作展出品 「一歩踏み出す勇気を」

この春大学院を修了する小笠原さん。修了制作では、行きつけの喫茶店を題材に、赤を基調した作品を手掛けた=北名古屋市徳重の名古屋芸術大で

この春大学院を修了する小笠原さん。修了制作では、行きつけの喫茶店を題材に、赤を基調した作品を手掛けた=北名古屋市徳重の名古屋芸術大で

 豊田市在住の小笠原盛久さん(70)が3月、北名古屋市徳重の名古屋芸術大大学院美術研究科を修了する。公務員を退職後に絵画に没頭した「第2の人生」。その集大成として仕上げた油絵を学内の修了制作展に出品した。小笠原さんは「私の絵を見た同年代の人にやりたいことへ一歩を踏み出す勇気を持ってもらえたらうれしい」と話している。(鈴木里奈)

 小笠原さんは、2013年まで岡崎市役所に勤務。退職後に趣味の絵画を本格的に学ぼうと、同年4月から名古屋芸術大美術学部に入学した。洋画コースで学び、15年には半年間、イタリア・ミラノにある姉妹校のNABA大に交換留学し、大学院にも進んだ。

 経済的な事情から大学進学を諦め、高校卒業してすぐに就職。絵画教室に通った時期もあるが、仕事が忙しく忙しさから続かなかった。芸術大学への進学は夢だったという。

 入学当時は絵心がある周りの学生の作品を見たり、講評を聞いたりして落ち込むころもあったが、「自分の絵のスタイルを確立させたい」と努力を続けた。

 在学中は色彩や線、物体の配置などを研究してきた。今回出展した作品は、大学近くにある喫茶店が題材。中心に立つマスターを強調するため、他の人物を小さく描く独特の手法を取り入れ、赤色中心の温かみのある色で全体をまとめた。

 6年間を「若い学生に刺激を受けたり、いろいろな講師の講義が聴けて幸せだった」と振り返る。4月以降も研修生として大学に残る予定で、より美しく見える色彩バランスを研究するという。「グラデーションの画法を取り入れた絵も描いていきたい。絵柄に柔らかさも必要かな」と、今後も絵画を探求していく。

 制作展は同大西キャンパスで、3月3日まで開いている。一般にも公開しており、入場無料。

(2019年2月28日 中日新聞朝刊県内総合版より)

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