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お知らせ  2019.01.29

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耳の奥に気圧センサー 「気象病」の原因 マウスで確認 愛知医科大

 愛知医科大(愛知県長久手市)などの研究グループは、マウスの実験で、耳の奥にあたる内耳に気圧の変化を感じ取るセンサー機能があることを突き止めた。悪天候になると頭や古傷が痛むといった「気象病」に関し、グループは人間も内耳から脳に気圧の変化が伝わって体調不良が起こるとみている。研究成果は米科学誌に掲載された。

 気圧の変化を感じる機能は鳥類の耳に存在し、悪天候に備える行動を取ることが知られているが、哺乳類では十分に証明されていなかった。

 実験では973ヘクトパスカルと低気圧状態にした装置にマウスを1時間入れた後、脳を観察。内耳の「前庭器官」からの感覚情報が集まる延髄の細胞内で、興奮状態になっていることを示す特殊なタンパク質の増加を確認した。他部位から感覚情報が集まる細胞や、気圧の影響を受けていないマウスに変化は確認されなかった。グループは、内耳で感知した微妙な気圧変化が脳に伝わることで、痛みを呼び覚ましたり、気分が落ち込んだりする不調を引き起こすとみている。

 気象病を訴える人は中年女性に多い。愛知医科大の佐藤純客員教授(疼痛(とうつう)医学)は「さらに詳しいメカニズムを解明し、気象病を根治する薬などへの応用につなげたい」と話している。

(2019年1月29日 中日新聞朝刊3面より)

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