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中日新聞掲載の大学記事

2017.11.09

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目指せ「高齢者 楽々操作」 期待の豊明・介護ロボ団地

■つり下げ型歩行支援 TV体操で心拍測定

 介護を担う小型ロボットを開発しようと、藤田保健衛生大(豊明市)が9月に同市の豊明団地に開いた「ロボティックスマートホーム(RSH)」。企業が試作機を設置しているが、操作のしやすさや各機器をつなぐ仕組みに課題もある。高齢者の声も聞きながら、誰でも使いやすいロボットの開発に期待がかかる。(森若奈)

 RSHのモデルルームは、かつての団地集会所を改修して造られた。キッチンやトイレ、風呂もついた75平方メートルの1LDKの部屋に、トヨタ自動車など6社がロボットを持ち込んでいる。

 トヨタ自動車は「飲み物を取ってきて」という呼び掛けに応じるロボットや、ベッドから車いすへの移乗を助ける装置を設置。介護用リフト製造販売のモリトー(一宮市)は1人でトイレに行けるつり下げ型歩行支援ロボットを、ブラザー工業はテレビ会議システムを活用したテレビ体操システムを展示した。

 RSH事業をとりまとめる同大の才藤栄一統括副学長は「RSHは(ロボット開発をはぐくむ)サンゴ礁。ロボットが介護をサポートする近未来をつくり出す」と胸を張る。しかし、課題もある。

 各ロボットには、それを動かすためのタブレット型端末がそれぞれにある。例えばテレビ体操システムを使いながら、NTTが開発した特殊な下着で心拍数を測ろうとすると、2台の端末を使いこなさなければいけない。

 表示が複雑で、情報技術(IT)に詳しくない高齢者には操作が難しい端末も。9月の記者会見でトヨタ自動車パートナーロボット部の玉置章文部長も「それぞれのメーカーが作ってきたシステムをどう融合していくかが、1つの技術課題になる」と話した。

 もともとRSHは超高齢社会を見据えた取り組みで、高齢者だけの世帯でも快適に過ごせるロボットの開発を掲げてきた。12日には近隣住民向けの初の体験会が開かれ、今後は団地の住民にモデルルーム内に滞在してもらう実証実験も行う。

 才藤統括副学長は「ユーザーに目の前で使ってもらい、良い物を作るサイクルを回したい」と話している。

(2017年11月9日 中日新聞朝刊なごや東版より)

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