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2017.08.31
宝暦治水 意義に光 平田靱負の病死説に反論 岐阜女子大・丸山教授が冊子
岐阜女子大地域文化研究所長の丸山幸太郎教授(80)=池田町六之井=が、江戸時代に幕府の命で薩摩藩が行った木曽三川の大規模改修工事「宝暦治水」について、冊子「木曽三川治水史上の奇跡−宝暦治水の実像」にまとめ自費出版した。(近藤統義)
宝暦治水は1754年2月〜翌年5月、薩摩藩家老の平田靱負(ゆきえ)を総奉行とし1000人近い藩士が従事。工費は巨額の40万両に及び、工事中に藩士84人が自刃・病死した。平田もこれらの責任を取り、工事後に自刃したとされている。
近年は自刃を直接的に示す記録はないとして、平田や犠牲者の多くが病死だとする説や、工事の効果を疑問視する新説が出ている。今回の冊子では、これに反論する形で丸山さんが治水の意義をあらためて解説している。
丸山さんはまず「藩が幕府にたてつくのは許されず、巨大な難工事をわずか1年余で担わされた不条理を前提にすべきだ」と説く。平田が病死したとする史料もあるが「幕府をはばかって、割腹という真実を記録に残せなかった」と考察する。
中途半端な施工箇所も散見されるが、後に造り直された洗堰(あらいぜき)もあり「将来の治水に向けた基礎づくりとしての第一歩だった」と工事の有効性を強調している。冊子は111ページ。1冊500円(送料は別)で注文を受け付けている。(問)丸山さん=0585(45)4390
(2017年8月31日 中日新聞朝刊西濃総合版より)
宝暦治水は1754年2月〜翌年5月、薩摩藩家老の平田靱負(ゆきえ)を総奉行とし1000人近い藩士が従事。工費は巨額の40万両に及び、工事中に藩士84人が自刃・病死した。平田もこれらの責任を取り、工事後に自刃したとされている。
近年は自刃を直接的に示す記録はないとして、平田や犠牲者の多くが病死だとする説や、工事の効果を疑問視する新説が出ている。今回の冊子では、これに反論する形で丸山さんが治水の意義をあらためて解説している。
丸山さんはまず「藩が幕府にたてつくのは許されず、巨大な難工事をわずか1年余で担わされた不条理を前提にすべきだ」と説く。平田が病死したとする史料もあるが「幕府をはばかって、割腹という真実を記録に残せなかった」と考察する。
中途半端な施工箇所も散見されるが、後に造り直された洗堰(あらいぜき)もあり「将来の治水に向けた基礎づくりとしての第一歩だった」と工事の有効性を強調している。冊子は111ページ。1冊500円(送料は別)で注文を受け付けている。(問)丸山さん=0585(45)4390
(2017年8月31日 中日新聞朝刊西濃総合版より)
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