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中日新聞掲載の大学記事

2017.07.21

男子シンクロ 世界で演技を 中部大・近藤さん 元五輪代表と特訓

 春日井市の中部大工学部2年近藤史隆さん(20)は、北京五輪のシンクロ日本代表、松村亜矢子さん(35)のマンツーマン指導を受け1年。8月のソロ大会デビューへ向け、厳しい特訓を重ねている。(浅野有紀)

 「しんどい時こそ、ここからだと思いなさい」「自分に負けてどうすんの!」。20日に市温水プールであった練習。松村さんの容赦ない声が飛んだ。

 立ち泳ぎなど基本練習を1時間、曲をつけてさらに1時間。入水するまでの歩き方も「体の大きさを生かして、表現者になりなさい」と指導が入る。身長185センチ、体重90キロの体がさらに大きく見えるよう近藤さんは指摘された動きを繰り返した。

 近藤さんは、元競泳選手。3歳で始め、高校3年の全国高校総体(インターハイ)は1500メートル自由形で決勝に進出した。シンクロとの出合いは昨年9月。中部大水泳部の仲間から「男女混合でシンクロの大会に出てみよう」と誘いを受けた。「6歳の時に見たドラマ『ウォーターボーイズ』に憧れてたのでやっとチャンスが巡ってきた! と飛び付きました」とうれしそうに振り返る。

 当初は、立ち泳ぎすら満足にできない状態だったが、演技が思い通りに決まったときの快感に魅了された。中部大で専任講師を務める松村さんに、本格的に取り組みたいと直訴。週1、2回、主に週末に指導を受ける。

 8月2日から東京辰巳国際水泳場(東京都江東区)で始まる「日本シンクロチャレンジカップ2017」では、初めてソロで演技する。男子の出場選手は他に7人。松村さんは「仕上がりは30点」と手厳しいが、「男子シンクロは始まったばかり。食い付いた彼には、すごいチャンスが待っている。気持ち次第で世界トップクラスを目指せる」と期待する。

 20日の練習でも、たくさん課題を見つけた近藤さん。「言われてもできないことばかりで、ゴーグルの中は悔し涙でいっぱい。でもやめたいと思ったことはないです。強さや美しさを表現できる選手になりたい」と笑顔を見せた。

(2017年7月21日 中日新聞朝刊近郊版より)
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