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2017.06.21
健康志向の小麦食品 愛知のメーカー 高機能パン、うどん開発
愛知県の食品メーカー2社が、血糖値対策や高いエネルギー転換効率などの機能を持つパンやうどんを開発し、商品化の段階に入った。小麦食品は炭水化物や糖質が多いイメージで敬遠されがちだが、健康志向が高まる消費者にもアピールして販売拡大を目指す。(久野賢太郎、曽布川剛)
フジパン(名古屋市)は「食後の血糖値や血中中性脂肪の上昇を抑える」との機能性表示を施したロールパン「もちふわロール」を開発した。甘さ控えめで4個入り、213円を想定。8月から、北海道と沖縄を除く全国で販売する。
小腸での糖の吸収をゆるやかにする働きのある食物繊維の1種「難消化性デキストリン」を採用。製法の工夫で生地がふくらみにくくなる欠点も克服した。担当者は「日常的に食べるパンで無理なく対策できる」と自信をのぞかせる。
一方、秋田製麺所(愛知県豊山町)は、摂取した炭水化物を体内にため込まずエネルギーに変えるのを助ける栄養素、ビタミンB1を生地に練り込んだうどんを若者向けに開発した。
ビタミンB1は水に溶けやすく、そのままゆでると40%ほどが溶けてしまう。そこで出荷前のゆで加減を工夫。電子レンジで1分半ほど加熱するだけで食べられるようにし、健康重視と手軽さを両立させた。開発は、中京銀行(名古屋市)などの仲介で椙山女学園大(同市)と連携。愛知産小麦を100%使うことにこだわりつつ、「うどんは糖質が気になる」「ゆでるのが手間」といった声を参考にした。
秋田千晴取締役は「食品メーカーが小麦粉を使わなければ生産者が小麦を作らなくなる。太りたくない気持ちも分かるが、糖質でしっかりエネルギーを蓄えてほしい」。1人前200グラムで希望小売価格は100円。まず今月25〜27日に名古屋三越星ケ丘店(同)で期間限定販売し、7月以降の市販を目指す。
商品開発に協力した椙山女学園大の江崎秀男教授(食品機能学)は「これからの季節、夏バテ防止には主食でしっかり糖質を取り、体を動かして使うのが基本。主菜、副菜も含め、効率の良い消費にはビタミンB1など栄養素とのバランスが大切」と話している。
(2017年6月21日 中日新聞朝刊市民版より)
フジパン(名古屋市)は「食後の血糖値や血中中性脂肪の上昇を抑える」との機能性表示を施したロールパン「もちふわロール」を開発した。甘さ控えめで4個入り、213円を想定。8月から、北海道と沖縄を除く全国で販売する。
小腸での糖の吸収をゆるやかにする働きのある食物繊維の1種「難消化性デキストリン」を採用。製法の工夫で生地がふくらみにくくなる欠点も克服した。担当者は「日常的に食べるパンで無理なく対策できる」と自信をのぞかせる。
一方、秋田製麺所(愛知県豊山町)は、摂取した炭水化物を体内にため込まずエネルギーに変えるのを助ける栄養素、ビタミンB1を生地に練り込んだうどんを若者向けに開発した。
ビタミンB1は水に溶けやすく、そのままゆでると40%ほどが溶けてしまう。そこで出荷前のゆで加減を工夫。電子レンジで1分半ほど加熱するだけで食べられるようにし、健康重視と手軽さを両立させた。開発は、中京銀行(名古屋市)などの仲介で椙山女学園大(同市)と連携。愛知産小麦を100%使うことにこだわりつつ、「うどんは糖質が気になる」「ゆでるのが手間」といった声を参考にした。
秋田千晴取締役は「食品メーカーが小麦粉を使わなければ生産者が小麦を作らなくなる。太りたくない気持ちも分かるが、糖質でしっかりエネルギーを蓄えてほしい」。1人前200グラムで希望小売価格は100円。まず今月25〜27日に名古屋三越星ケ丘店(同)で期間限定販売し、7月以降の市販を目指す。
商品開発に協力した椙山女学園大の江崎秀男教授(食品機能学)は「これからの季節、夏バテ防止には主食でしっかり糖質を取り、体を動かして使うのが基本。主菜、副菜も含め、効率の良い消費にはビタミンB1など栄養素とのバランスが大切」と話している。
(2017年6月21日 中日新聞朝刊市民版より)