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中日新聞掲載の大学記事

2016.12.10

名大大学院 医学系研究科 創薬強化 岐阜薬科大と連携協定

 名古屋大大学院医学系研究科(名古屋市)と岐阜薬科大(岐阜市)は9日、世界的に創薬の研究開発スピードが速まる状況に対応できるよう、名大の研究力と創薬全般を扱う岐阜薬科大の総合力を合わせ、共同研究や研究者交流を促進し、研究試料の共有化を図るため連携協定を結んだ。(室木泰彦)

 名大病院で同研究科の高橋雅英科長(医学部長)と岐阜薬科大の稲垣隆司学長が互いに調印した協定書を交わした。同研究科の薬学系研究での連携協定は初めて。岐阜薬科大は岐阜大と協定がある。

 調印式で高橋科長は、薬学部がない名大も約5年前から創薬研究強化で東山キャンパスに専門の研究科を設け、医学系研究科でも創薬研究の基盤づくりを進めた経緯を紹介。「3年前に東山キャンパスで製薬会社の研究所ができた。岐阜薬科大との共同研究も推進し、企業連携も含め創薬研究をさらに進めたい」と語った。

 稲垣学長は「これまでに全国の大学でもトップレベルの6つの薬を世に出した。患者の臨床試料が豊富な名古屋大と連携し、創薬にスピード感を持たせたい」と述べた。

 両者はすでに5分野ほどで共同研究を進めるが、新たな協定の背景には、かつて10年単位とされた創薬研究が最近は数年単位と急速にスピード化が進むこともある。

 高橋科長は「名大が強いがんや神経、循環器疾患などの治療薬のほか、診断薬などの開発を進めたい」と意欲。稲垣学長は「臨床レベルで効果が確認できればすぐ創薬に入れる。それが協定によって進む」と話した。名大のシンポジウムに岐阜薬科大が参加するなど人的交流も強化する。

(2016年12月10日 中日新聞朝刊県内総合版より)
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