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中日新聞掲載の大学記事

2016.10.14

椙山女学園大生 復興後押し 石巻焼きそば 学祭販売へ

 東日本大震災の被災地取材を続けている椙山女学園大の学生グループが、宮城県石巻市のご当地グルメ「石巻焼きそば」の作り方を研究している。普及に取り組む現地の被災者をインタビューしたのがきっかけで、「愛知の人にもおいしさを伝えたい」と始めた。16日に星が丘キャンパス(千種区)で開かれる大学祭で売り出す。(河北彬光)

 味の再現を目指しているのは、栃窪優二教授のゼミで映像ジャーナリズムを学んでいる13人。ゼミでは震災直後から被災地を訪問し、取材した映像記録をインターネットに公開している。その一環で今年2月、現地の団体「石巻茶色い焼きそばアカデミー」の関係者に取材した。

 インタビューした団体の役員は、津波で自身が経営する製麺所を失いながら、再建を果たした。「焼きそばの味を多くの人に伝え、復興につなげたい」。そう話す姿に心打たれた学生から自然に「私たちも何か手伝おう」との声が上がった。

 石巻焼きそばは2度蒸した茶色の麺を使い、だし汁をかけながら焼き上げる。香ばしく、さっぱりした味わいが特徴だ。学生たちは役員にその場で作ってもらって試食し、レシピも直接教わった。4年の村上綾香さん(21)は「食べ慣れた焼きそばに比べ、だしが効いて優しい味。愛知の人も喜んでくれると思う」と話す。

 大学祭では、味の決め手となる茶色い麺とだし汁を現地から仕入れる。設営の制約で鉄板は使えないためフライパンで料理するが、試作を繰り返して本場に近い味が出せることも確かめた。

 4年の牧山恭女(たかこ)さん(22)は「震災から5年が過ぎ、報道で被災地を知る機会も減っている。味わいながら被災地に思いをはせてほしい」と話す。一食300円で収益を団体に寄付する。午前10時〜午後3時に販売し、150食が売り切れ次第終了する。

(2016年10月14日 中日新聞朝刊市民版より)
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