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中日新聞掲載の大学記事

2016.09.06

名大脳とこころの研究センター 初の拡大ワークショップ

 名古屋大脳とこころの研究センターは、研究者同士で最新の研究内容を紹介し合う初めての拡大ワークショップを名大病院(名古屋市昭和区)で開き、最先端の脳の画像診断などを活用した研究が報告された。同大以外の研究者も参加し、将来的な共同研究に発展させることも狙う。

 センターは2013年設置。初の拡大ワークショップでは名大大学院医学系研究科など名大の研究者のほか、静岡てんかん・神経医療センター(静岡市)の研究者も加え7人が、現在の研究を説明。名大病院関係者ら約80人が耳を傾けた。

 脳神経に関係する病気の解明と治療法開発がテーマ。磁気共鳴画像装置(MRI)などの画像診断を活用し、てんかんやパーキンソン病の症状と脳機能の関係を明らかにしたり、予後の状態の改善を図る治療法の提案があったりした。

 デコーディング(脳信号解読)のデータ解析をテーマにした研究は、特定の物を見ると恐怖感を抱くのに、見ても何も起きないことを繰り返し覚えさせると恐怖が取り除かれる脳のメカニズムを紹介。恐怖を解消するセラピーなどに活用できる可能性を示した。発表ごとに質疑応答があり、祖父江元・名大特任教授らが助言した。内容の濃いやりとりが続き、センターは今後も開催を検討する。

 (室木泰彦)

(2016年9月6日 中日新聞朝刊県内版より)
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