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2016.03.31
躁うつ病 脳内仕組み解明へ 藤田保健大 行動異常マウスで研究
躁(そう)うつ病に似た行動異常があるマウスの「気分の波」と特定の遺伝子の働きが連動することが、藤田保健衛生大(豊明市)の宮川剛教授らのグループの研究で分かった。人の遺伝子で同じ働きが確認できれば、躁うつ病の解明につながり予防や治療法、薬の開発が進むとする。(室木泰彦)
躁うつ病では、活動量が「躁」の状態の時に増え、「うつ」で減る傾向があるが、脳内メカニズムはほとんど分かっていない。
グループは、特定の遺伝子を欠損しているマウスが躁うつ病に似た行動を取ることに着目。欠損マウスは10〜20日周期で活動期とそうでない時期が交互に繰り返されていることを突き止めた。
さらに、欠損マウスから気分の調節に重要な役割がある脳の一部「海馬歯状回(かいばしじょうかい)」を採取し、3万種以上の遺伝子を解析。この中で、約24時間周期で働く「時計遺伝子」の働きが、10〜20日の周期で繰り返す気分の波と連動することを確認した。
時計遺伝子の働きの変化が、気分の波の原因なのか結果なのかは不明としている。
宮川教授らは4月から国立精神・神経医療研究センター(東京都)などと共同でヒトの血液で研究を始めるとし、「人も同じ仕組みと確認できれば躁うつ病のメカニズム解明が進む。遺伝子の働きパターン解析で未来の気分も予測できる可能性があり、予防法開発にもつながる」と話す。
成果は、30日付で米科学誌に掲載された。
(2016年3月31日 中日新聞朝刊県内総合版より)
躁うつ病では、活動量が「躁」の状態の時に増え、「うつ」で減る傾向があるが、脳内メカニズムはほとんど分かっていない。
グループは、特定の遺伝子を欠損しているマウスが躁うつ病に似た行動を取ることに着目。欠損マウスは10〜20日周期で活動期とそうでない時期が交互に繰り返されていることを突き止めた。
さらに、欠損マウスから気分の調節に重要な役割がある脳の一部「海馬歯状回(かいばしじょうかい)」を採取し、3万種以上の遺伝子を解析。この中で、約24時間周期で働く「時計遺伝子」の働きが、10〜20日の周期で繰り返す気分の波と連動することを確認した。
時計遺伝子の働きの変化が、気分の波の原因なのか結果なのかは不明としている。
宮川教授らは4月から国立精神・神経医療研究センター(東京都)などと共同でヒトの血液で研究を始めるとし、「人も同じ仕組みと確認できれば躁うつ病のメカニズム解明が進む。遺伝子の働きパターン解析で未来の気分も予測できる可能性があり、予防法開発にもつながる」と話す。
成果は、30日付で米科学誌に掲載された。
(2016年3月31日 中日新聞朝刊県内総合版より)
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