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2016.03.28
名芸大生が防災すごろく 備えに「あがり」なし
子どもたちが遊びを通じて防災を学べるすごろくやビンゴを、名古屋芸術大(愛知県北名古屋市)の学生が作った。楽しみながら災害時の注意点を知り、東日本大震災発生から6年目に入り、薄れつつある防災意識を高めてもらう。
名古屋を模して描かれた街の中のマスを、人形のコマが進んでいく。サイコロに従って進むたびに出題カードを1枚引く。「お風呂の水はいざというときのために浴槽いっぱいにためておくと良いか」。答えは、水が多いと重みで浴槽が倒れる危険があるので「×」。正解すると1マス進め、ゴールを目指すうちに防災の知識も得られる。
こんな防災ゲームを作ったのはデザイン学部の2年生18人。東海3県で防災教育に取り組むNPO法人「高齢者住まいる研究会」から昨年10月、開発を依頼された。ゲームは全3種類で、ほかに備蓄品について学べるビンゴと災害時の行動などを描いた飛び出す絵本。
学生に防災の知識はなく、ゼロからのスタートだった。「間違ったことは教えられないのでプレッシャーがあった」と、すごろくを担当した長嶺知代実さん(21)。本やインターネットで勉強を重ねたという。
2月末に作品を受け取ったNPO代表の寺西貞昭さん(49)は「予想以上の出来で驚いた」。ビンゴを担当した野沢香枝さん(21)は「震災直後より危機感が薄れてきている人も多いと思う。ゲームで遊ぶことを機に、防災について考えてもらえれば」と願った。
<取材後記>
防災ビンゴに使うカードには、クマのキャラクターが描かれている。オレンジの顔に緑色の服。「備蓄」から学生が考えた「備チックマ」だ。リュックの中に防災アイテムを備蓄しているという設定まである。デザインが専門の学生らしく、制作時間の多くをこのキャラに割いたらしい。
防災の素人が「子どもに親しまれること」を重視して作ったゲーム。だからこそ、遊びながら学んだ知識は記憶に残りやすいかもしれない。(井上峻輔)
(2016年3月28日 中日新聞夕刊総合版より)
名古屋を模して描かれた街の中のマスを、人形のコマが進んでいく。サイコロに従って進むたびに出題カードを1枚引く。「お風呂の水はいざというときのために浴槽いっぱいにためておくと良いか」。答えは、水が多いと重みで浴槽が倒れる危険があるので「×」。正解すると1マス進め、ゴールを目指すうちに防災の知識も得られる。
こんな防災ゲームを作ったのはデザイン学部の2年生18人。東海3県で防災教育に取り組むNPO法人「高齢者住まいる研究会」から昨年10月、開発を依頼された。ゲームは全3種類で、ほかに備蓄品について学べるビンゴと災害時の行動などを描いた飛び出す絵本。
学生に防災の知識はなく、ゼロからのスタートだった。「間違ったことは教えられないのでプレッシャーがあった」と、すごろくを担当した長嶺知代実さん(21)。本やインターネットで勉強を重ねたという。
2月末に作品を受け取ったNPO代表の寺西貞昭さん(49)は「予想以上の出来で驚いた」。ビンゴを担当した野沢香枝さん(21)は「震災直後より危機感が薄れてきている人も多いと思う。ゲームで遊ぶことを機に、防災について考えてもらえれば」と願った。
<取材後記>
防災ビンゴに使うカードには、クマのキャラクターが描かれている。オレンジの顔に緑色の服。「備蓄」から学生が考えた「備チックマ」だ。リュックの中に防災アイテムを備蓄しているという設定まである。デザインが専門の学生らしく、制作時間の多くをこのキャラに割いたらしい。
防災の素人が「子どもに親しまれること」を重視して作ったゲーム。だからこそ、遊びながら学んだ知識は記憶に残りやすいかもしれない。(井上峻輔)
(2016年3月28日 中日新聞夕刊総合版より)
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