HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 全て
2016.03.27
しだれ梅酵母 食品開発へ 名城大と農業センター 協定
天白区内に拠点を置く市農業センターと名城大農学部は、学術研究や人材交流などで相互の協力を促進する協定を締結した。具体的な事業の第1弾として、センターのしだれ梅から採取した天然酵母を食品の開発につなげる研究を開始。官学が一体となった連携が動きだした。 (市川泰之)
天白区と名城大は2014年、防災やまちづくりなどに関する協定を締結。昨年、センターが開園50周年を迎えたのを機に、天白区に移転して同じく50年がたった名城大と関係強化に乗りだす機運が高まり、協定が決まった。
農業センターで今月17日に締結式があり、名城大の小原章裕農学部長と谷口茂弘農業センター所長が調印。インターンシップ(就業体験)での学生の受け入れなども盛り込んだ。関係者はその後、しだれ梅園まで移動、酵母の採取の様子を見学した。
天然酵母の研究を担当するのは、名城大農学部の加藤雅士教授(51)=応用微生物学=と加藤教授の研究室に所属する同大大学院農学研究科1年の望月麻衣さん(23)。この日、望月さんがピンク色の「呉服(くれは)枝垂」や白い「緑萼(りょくが)枝垂」など4種類の花を採取した。
加藤教授によると、風や虫などによって運ばれた天然酵母がしだれ梅に付着している可能性があり、採取した花を解析して酵母の有無を調べ、食品開発に応用できるかどうかなどを遺伝子レベルまで突き止める。適した酵母が見つかれば、培養して日本酒の醸造やパンの製造などに応用する構想だ。
望月さんは「商品開発までつなげたい。学術研究上の新しい事実も発掘できれば」と意気込んでいる。
農業センターには12種700本のしだれ梅があり、しだれ梅園では国内有数の規模を誇る。さらに、区内は丘陵地が多く、昔から食用の梅がたくさん植えられてきた歴史的なつながりもある。関係者は、「天白の梅」を打ち出した食品が店頭に並ぶ日を心待ちにしている。
(2016年3月27日 中日新聞朝刊市民版より)
天白区と名城大は2014年、防災やまちづくりなどに関する協定を締結。昨年、センターが開園50周年を迎えたのを機に、天白区に移転して同じく50年がたった名城大と関係強化に乗りだす機運が高まり、協定が決まった。
農業センターで今月17日に締結式があり、名城大の小原章裕農学部長と谷口茂弘農業センター所長が調印。インターンシップ(就業体験)での学生の受け入れなども盛り込んだ。関係者はその後、しだれ梅園まで移動、酵母の採取の様子を見学した。
天然酵母の研究を担当するのは、名城大農学部の加藤雅士教授(51)=応用微生物学=と加藤教授の研究室に所属する同大大学院農学研究科1年の望月麻衣さん(23)。この日、望月さんがピンク色の「呉服(くれは)枝垂」や白い「緑萼(りょくが)枝垂」など4種類の花を採取した。
加藤教授によると、風や虫などによって運ばれた天然酵母がしだれ梅に付着している可能性があり、採取した花を解析して酵母の有無を調べ、食品開発に応用できるかどうかなどを遺伝子レベルまで突き止める。適した酵母が見つかれば、培養して日本酒の醸造やパンの製造などに応用する構想だ。
望月さんは「商品開発までつなげたい。学術研究上の新しい事実も発掘できれば」と意気込んでいる。
農業センターには12種700本のしだれ梅があり、しだれ梅園では国内有数の規模を誇る。さらに、区内は丘陵地が多く、昔から食用の梅がたくさん植えられてきた歴史的なつながりもある。関係者は、「天白の梅」を打ち出した食品が店頭に並ぶ日を心待ちにしている。
(2016年3月27日 中日新聞朝刊市民版より)
その他の中日新聞掲載の大学記事
お知らせ 2025.01.16