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中日新聞掲載の大学記事

2015.12.01

冬用タイヤ 自動判定 中日本高速 SA導入、装着促す

 走行車両が冬用タイヤを装着しているか自動判定する業界初の装置を、中日本高速道路(名古屋市)が岐阜、福井県のサービスエリア(SA)に導入した。路面に埋めたセンサーが音を聞き取り、冬用タイヤかどうかを判定する仕組み。降雪時にチェーン規制を出す際の判断の参考にし、作業の迅速化や渋滞緩和につなげたいとしている。

 装置は、道路情報装置メーカーの名古屋電機工業(愛知県あま市)と中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋(名古屋市)、大同大、電気通信大が共同で開発した。

 中日本高速が2010年にアイデアを募ったところ、名古屋電機が音による判定を提案した。冬用タイヤは溝が深く、碁盤の目のように割れているため、走行時に特有の周波数の音を出すことに注目した。

 雪中の試験を繰り返し、集音マイクではなく、振動を直接拾うセンサー方式に変えたことで正答率を9割近くに向上させ、実用化にこぎ着けた。

 装置を導入したのは、東海北陸自動車道の長良川SA(岐阜県関市)と北陸自動車道の南条SA(福井県南越前町)で、チェーン規制時にタイヤのチェック関門となる。11月中旬に本線からSA駐車場への入り口にセンサーを埋め、約50メートル先に表示板を設けた。夏用タイヤの車が通るたびに「冬タイヤ装着を!」と注意を呼び掛けている。

 名古屋電機技術開発部の谷崎徹也部長(46)は「渋滞やスリップ事故が少しでも減ってほしい」と話す。

 例年、夏用タイヤ車によるスリップ事故や立ち往生が後を絶たない。車を1台ずつ止めてタイヤをチェックするのは手間がかかり、渋滞の引き金にもなる。

 将来的にはインターチェンジに設置し、冬用タイヤを装着していない車の高速道路への進入を防ぐことも期待されるが、「正答率が9割程度ではかえって混乱を招く」といい、現時点では見送られている。(太田鉄弥)

(2015年12月1日 中日新聞朝刊11面より)

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