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中日新聞掲載の大学記事

2015.11.25

石巻慰問 様子伝えたい 名短大生、豊明で公演 劇、歌と共にパネル展

 東日本大震災で被災した宮城県石巻市で保育ボランティアを続ける名古屋短期大保育科(豊明市栄町)の学生グループ「みんなに笑顔をとどけ隊」が、現地で子どもたちを楽しませてきた劇や歌を、豊明市内で披露している。活動は4年たち、この地域に現地の様子を伝えることにも力を入れている。(並木智子)

 現在1、2年生13人のグループは2011年の夏から活動を始めた。仮設住宅の子どもらが思い切り遊ぶ機会をつくりたいと、夏休みや春休みに年3回、石巻市を訪問する。

 毎回訪問する同市のなかよし保育園で、大道具や小道具も手作りして劇にした絵本「はらぺこあおむし」を披露したり、仮設住宅で子どもたちと遊んだり。大災害が起きたときに子どもたちをどう守るのか、保育士の話も聞いてきた。

 豊明など地元での活動が増えたのは昨年から。ボランティア活動が短大内で知られ、出演できそうな地域のイベント情報を教えてもらうようになった。代表の伊藤麻由希さん(26)は「石巻から帰ってくるとこちらで震災が風化していると感じていた。忘れないでほしいという現地の人の思いを伝える新たな試みができるようになったのは先輩たちの積み重ねのおかげ」と話す。

 学園祭のほか、今月15日は豊明市防災講演会に出演。ステージで劇と被災地の人たちへの思いを込めて「花は咲く」の合唱を披露した。ロビーでは、現地での活動を伝えるパネルを展示し、児童74人が犠牲になった大川小学校のヒマワリの種を来場者に配布した。子を失った保護者たちが植えたヒマワリの種を譲り受け、短大内で育てた。今後は豊明市内の保育園に訪問することも予定している。

 つらい現実に直面することもある。現地でいつも着用しているオレンジ色のベストを見ると、震災を思い出してつらくなる保育士がいると聞いた。逆に苦しめることになり、私たちの活動は何だったのだろうかと、みんなで悩んだ。

 それでも「忘れないでいてくれていることがうれしい」とも言葉を掛けられた。伊藤さんは「私たちのできることで思いを伝えていきたい」と話している。

(2015年11月25日 中日新聞朝刊なごや東版より)

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