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中日新聞掲載の大学記事

2015.11.03

給水ロボが走者応援 金工大生製作 金沢マラソンに登場

 金沢マラソン組織委員会事務局は2日、今月15日に行われる金沢マラソンで、ロボットがランナーに給水カップを渡すサービスを行うと発表した。ロボットは金沢工業大(野々市市)が製作した。ロボットによる給水サービスは国内マラソン大会で初めて。

 お盆型の給水ロボット「金沢おもてなしロボット OMOTEN」は直径20センチ、重さ1キログラム弱。係員が水の入ったカップを給水台上のロボットに載せると、ロボット同士は一定の距離を保ちながら楕円(だえん)状に移動。ランナーがカップを受け取ると再び係員側に戻り、カップが載るまで待機する。横から押されて楕円状の走行レーンを外れても、ロボット底面のセンサーでレーンを認識し、軌道修正する。

 北陸新幹線、すし、カニなどそれぞれ金沢らしいデザインを施された5台が、31.5キロ地点(城北市民運動公園)の給水所でランナーをもてなす。

 市と同大は5月に金沢マラソンにおける相互連携協定を締結しており、ロボットによる給水サービスは連携の一環。ロボットを製作した経営情報学科の学生6人を指導した松林賢司教授は「世界初のロボット給水の実現を目指した。おもてなしエンジニアリングを略してOMOTENと名付けた。安全性、機能性だけでなく、エンターテインメント性も重視した」と説明した。

 設計を担当したのは、2年前のロボットコンテスト世界大会優勝メンバーの4年生真下康宏さん(22)。真下さんは「金沢の伝統工芸の美しさと金工大の技術をミックスした」と解説。デザインを取りまとめた金子七瀬さん(21)は「金沢らしくて、県外ランナーが見ても分かるモチーフを選ぶのに苦労した。ランナーに楽しんでもらえたら」と大会を待ち望む。

 組織委員会会長の山野之義市長は「金沢工業大はロボット分野で日本のトップクラス。石川、金沢の文化力だけでなく技術力もアピールできてうれしい」と絶賛した。 (飯田樹与)

(2015年11月3日 北陸中日新聞朝刊金沢加賀版より)

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