【北京＝原田遼】６日開幕のグランプリ（ＧＰ）シリーズ第３戦中国杯でＧＰ初戦に臨む本郷理華（邦和スポーツランド）が当地での練習に熱を入れている。

　２季ぶりのＧＰ戦となる元世界女王の浅田真央（中京大）に周囲の目が集まっているが、昨季日本女子で唯一、ＧＰファイナルに出場した１９歳は「誰に勝つというより、自分の演技をしっかりしたい」と静かに表彰台をうかがう。

　当地に入った４日は会場の首都体育館で初練習。曲をかけての演技では３回転の連続ジャンプを成功させるなど、順調な調整ぶりを見せた。

　参戦１年目となった昨季のＧＰシリーズではスケートカナダで５位に入ると、続くロシア杯で初優勝。獲得ポイントで上位６人に入れなかったが、故障による欠場者が出たため、繰り上げでファイナル進出を果たした。だが、世界のトップ選手が一堂に会する舞台で結果は最下位。「次は自分の力でファイナルに出たい」と雪辱を誓った。

　今季は五輪２大会に出場した鈴木明子さんにショートプログラムの振り付けを依頼。現役時代は感情豊かな演技で人気だった、邦和スポーツランドの先輩の指導を受け、課題の表現力を磨いてきた。

　浅田、昨季世界選手権３位のラジオノワ（ロシア）らが出場する今大会。進化を見せ、表彰台の一番上に立てば、自力でのファイナル出場が大きく近づく。

（2015年11月5日　中日新聞夕刊7面より）