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中日新聞掲載の大学記事

2015.08.01

日本女子 2大会ぶりV 15歳杉原 個人総合制す アジア選手権

 アジア選手権第1日は31日、広島市の広島県立総合体育館で女子の団体・個人総合が行われ、日本が231.800点で2大会ぶりの団体制覇、個人総合でも15歳の杉原愛子(大阪・梅花高)が58.050点で初優勝、寺本明日香(中京大)が57.750点の3位に入った。

 寺本、笹田夏実(日体大)に加え、杉原、内山由綺(スマイルク)や宮川紗江(セインツク)湯元さくら(中京大)の成長株で臨んだ日本は、跳馬、床運動でトップの得点をマーク、2位中国に0.850点差をつけ、来年のリオデジャネイロ五輪の出場権を懸けた世界選手権(10〜11月・英グラスゴー)へ向けて勢いをつけた。8月1日は男子の団体・個人総合が行われ、白井健三(日体大)や加藤凌平(順大)らが臨む。

■寺本 責任感の3位

 寺本はリーダーの自覚を演技で表現した。落下の恐れがある段違い平行棒と平均台で堂々とした動きを見せ、ともに14.850点。7月上旬のユニバーシアード夏季大会の疲れが残り、跳馬の難度を大幅に抑えた中で個人総合3位に入り「流れをつくる役割は果たせた」と納得の表情。

 チームの雰囲気づくりも今大会のテーマ。「みんな集中し、自分以外の選手も応援できている。私が引っ張る行動をしなくてもよかった」と好感触をつかんだ。

■ひねり技で上昇気流

 みずみずしくも力強い15歳のひねり技が、日本女子に上昇気流を起こした。秋の世界選手権の前哨戦でチームをけん引したのは高校1年の杉原。「シニアの日の丸を背負うのは初めて。ジュニアの時と空気が違ったけどノーミスでできて自信が持てた」。気が付けば、個人総合の表彰台でも真ん中に立っていた。

 男子は白井、女子なら杉原とも称されるようになったひねりがこの日もさえた。跳馬で挑んだ伸身ユルチェンコ2回ひねりはわずかに回転が足りなかったが、平均台は後方宙返り3回ひねり下りに成功。床運動も、女子で終末技に使う選手が少ない後方伸身宙返り3回ひねりの着地を決めた。

 ロンドン五輪で最年少だった寺本が笹田と並んで代表最年長に。若さがどちらに転ぶかが試される中、段違い平行棒で笹田が2度落下して苦境に立たされた。動揺が広がりかねなかったところでバーをしっかりつかんで演技したのが杉原であり、17歳の内山。

 杉原と同じ15歳の宮川も、得意の跳馬と床運動で15点前後の高得点をマークした。「今日みたいな雰囲気でいけたら、世界選手権でも五輪出場権が取れる」とほほ笑む杉原を中心に、新生日本女子の輪郭が色を濃くし始めた。(鈴木智行)

(2015年8月1日 中日新聞朝刊29面より)
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