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中日新聞掲載の大学記事

2015.05.25

愛知大学野球 愛院大V 2季ぶり47度目 大混戦最後に制した!!

 愛院大が日本福祉大に9−2で連勝。2季ぶり47度目のリーグ優勝を果たし、6月8日開幕の全日本大学野球選手権大会(神宮、東京ドーム)に2年連続23度目の出場を決めた。敗れた日本福祉大は最下位となり、30日から2部優勝校の東海学園大との入れ替え戦に臨む。これで全日程が終了。首位打者に当たる打撃賞は中部大の白石達之介外野手(4年・岐阜工)、最優秀防御率選手賞は中京大の山下大介投手(3年・帝京大可児)に決定した。

■木村監督初采配で栄冠

 最終週まで3校が優勝でもつれ合う大接戦の中、最後に一歩抜け出したのは愛院大だった。最後の打者を二ゴロで打ち取り、ナインは一斉にマウンドの曽田に駆け寄り、歓喜の輪を作った。

 元日本ハムの木村孝監督(56)が就任して初めてのシーズンでいきなり優勝。「ほんま幸せです。よくここまではい上がってくれた」と満面の笑みを見せた。

 2年連続の大学選手権出場を果たしたが、その道のりは決して平たんではなかった。木村監督が就任した直後の2月中旬、宮崎でのキャンプ中に心筋梗塞を発症。ドクターヘリで緊急搬送され、2週間入院する事態となった。「ここで選手の能力を把握するのが大幅に遅れてしまった。申し訳なかったと思う」

 開幕から5試合で4勝1分けと順調な滑り出しを切ったが、以降は4連敗で2カードを落とした。豊田主将は「うまくいきすぎて、どこか慢心があったと思う。少し崩れたら立て直せず、がたがたと倒れてしまった」と振り返った。

 4連敗後、監督は自主的に行っていた朝練を1週間中止。「まずは初心に帰ろう」と全員でグラウンドの草むしりを敢行した。「野球以前に、そういう精神的な面でしっかりしないと、野球の神様はほほ笑んでくれない」と木村監督。

 第6週終了時点でチーム打率は1割9分9厘。直前の1週間は試合メンバーの選手全員で毎朝打撃練習に取り組んだ。毎朝7時に集合して2時間死に物狂いでバットを振り込んだ。

 こうして迎えた最終カード。初日は接戦を制しサヨナラ勝ち。この日は計11安打を放って日本福祉大に連勝。大きな壁に2度もぶち当たりながらも優勝をつかみ取った。

 大学選手権まで2週間あまり。木村監督は「怖いものなんてないですよ、1度死にかけてますから。積極的に攻めて勝ち上がっていきたい」と豪快に笑った。この勢いに乗り、4強入りした昨年を超える。 (安達健)

■実感湧かない 打撃賞の白石

 打率3割6分8厘で打撃賞を初受賞した白石。「実感が湧かない」と目を丸くした。リーグ序盤はなかなか調子が上がらず、打率は2割5分まで沈んだ。昨季最優秀選手賞の神鳥と打撃フォームを指摘しあいながら、球に当てる瞬間だけ力を入れるよう修正に取り組み、調子を取り戻した。「その成果が出たと思う。来季こそ神宮球場でプレーできるよう、また積極的に打っていきたい」と力を込めた。

■仲間に感謝したい最優秀防御率の山下大

 防御率1.53で最優秀防御率選手賞に決まった山下大。昨春は0.01の差で受賞を逃したが、2季を経て念願の初受賞。「防御率は野手が守ってくれて初めて上がる。仲間に感謝したい」と喜んだ。それでも勝利数は2にとどまったことを課題に挙げた。「勝負事なので、勝てないと意味がない。秋はもっと勝てるように頑張りたい」と気合十分だ。

■入れ替え戦へ気合 日本福祉大の西川

 1回戦に続き先発した日本福祉大のエース西川。同点で迎えた6回に連打を浴び、一気に4失点でマウンドを降りた。「先頭打者を四球で出して、焦ってしまった。調子がよかっただけに情けないです」とうなだれた。次週は入れ替え戦が控える。「力まずいつも通り投げられれば勝てる。自信を持って挑みたい」と前を向いた。

▽2回戦(愛院大2勝)
愛院大 100014120―9
日福大 100010000―2

(2015年5月25日 中日スポーツ8面より)
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