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中日新聞掲載の大学記事

2015.02.23

名古屋・栄 中日文化センター 「なごや飲食夜話−尾張名古屋の食と暮らし」

■味や言葉の特徴解説 東海学園大特任教授 安田文吉さん

 「なごや飲食(おんじき)夜話−尾張名古屋の食と暮らし」の講師を務めるのは、浄瑠璃・歌舞伎研究で知られる東海学園大特任教授の安田文吉さん。「おでんは赤みそ」「かしわのひきずり」「米をかす」などと名古屋の伝統的食文化と名古屋弁を分かりやすく解説する。

 名古屋市熱田区旗屋町で生まれ育ち、「市外で暮らしたことは1度もありません」という生粋の名古屋っ子の安田さん。「食いしん坊」で食文化にも詳しい。「子供のころのおやつは、さとの木でした。一般的にはサトウキビですが名古屋近郊ではさとの木」と懐かしそう。

 「名古屋でおでんといえばみそおでん」は比較的知られているが、安田さんは「赤みそなどから『名古屋人は濃い味が好き』と言われるのは大きな誤解」と強調する。有名な八丁みそはみその中で塩分が最も少なく、そこからとれるたまりも当然、塩分濃度は低い。そこで安田さんは「名古屋人は薄味好み」と言い、「ただしうまみは濃い」。

 「かしわのひきずり」は鶏肉のすき焼きのこと。「幕末は、かしわは鶏肉の別称でしたが、今は名古屋周辺以外は鶏肉が圧倒的」と安田さん。ミカンなどが熟すことを言う「いろむ」は江戸時代は共通語だった。「江戸時代の共通語が1番残っているのが名古屋弁です」という。

 安田さんは「お年寄りには、昔懐かしい名古屋の味や言葉を思い出して元気になってほしいし、若い人にはそれを正しく伝えたい」と願っている。

 第3火曜午前10時30分、6カ月分1万2000円

 ホームページはhttp://www.chunichi-culture.com/

(2015年2月23日 中日新聞夕刊9面より)
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