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中日新聞掲載の大学記事

2015.02.01

国体フィギュア 成年女子 大庭選手V

 前橋市などで開かれている国民体育大会冬季大会スケート・アイスホッケー競技会4日目の31日、県勢はフィギュア成年女子の大庭雅選手(中京大)が総合170.80点で優勝した。

 大庭選手は前日のショートプログラム(SP)に続いて、フリーでも安定感のある演技を見せて首位を守った。フィギュアの県別順位でも、愛知は少年男女に続いて成年女子でも1位に。成年男子は3位だった。

 この日始まったショートトラックでは、成年女子の菊池純礼選手(トヨタ自動車)と少年女子の平井亜実選手(一宮北高)が、それぞれ3位に入賞した。

 最終日の1日は、ショートトラックの個人500メートルや、3000メートルリレーなどがある。

■「自分を信じ丁寧に」

 万全ではない。でも、大人の舞台で戦える。フィギュア成年女子を制した大庭雅選手(19)。5度目の国体で、確かな自信を得た。

 前回、少年女子で優勝してから、不安だらけの1年だった。昨年夏、練習で転倒して頭を強打。しばらく歩けず、2日間をベッドで過ごした。

 体のけがより、心の傷が深刻だった。「跳ぶのが怖い」。2回転のジャンプからやり直し、今は力を取り戻す“リハビリ”の途中。転倒前に跳べていたトリプルアクセル(3回転半)は封印した。

 わだかまりを抱えたまま臨んだ1月初めのインカレは2位。悔しさを胸に国体は「絶対に優勝」と自身に課した。

 硬さが残ったSPから一夜明け、この日のフリー。「自分を信じて。丁寧に」。まだ、3回転半は跳べない。それでも、ジャンプで滑らかに銀盤へ降りると、客席から「おおっ」と声が漏れる。

 「壁は一つ一つ、乗り越えていくしかないんです」。まだ少しあどけない笑顔を輝かせた。 (斎藤雄介)

(2015年2月1日 中日新聞朝刊25面より)
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