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中日新聞掲載の大学記事

2015.01.23

子どもの発達 絵で感じて 名東で40カ国の作品展示

 約40カ国・地域の子どもたちの絵を集めた「世界こども絵画展」が3月11日まで、名東区平和が丘の愛知東邦大L棟で開かれている。「発達」という視点で絵を読み解く試み。素直な心で描かれた作品から、国境を越えた子どもの発達の共通点や成長過程、心理状態を知ることができる。入場無料。(梅田歳晴)

 同大教育学部子ども発達学科の1年生で造形分野を学ぶ15人が企画した。文具メーカー「ぺんてる」(東京)を通じ、1970(昭和45)年の大阪万博を機に始まった「世界児童画展」を主催する美育文化協会に協力を依頼。協会が所蔵する過去の入賞、入選作品を100点ほど借りることができた。

 会場にはこのうち3歳から13歳の子どもが描いた85点余を展示。子どもの発達の道筋を実感してもらおうと、国籍別ではなく年齢順に並べた。

 モチーフは人物や動物、風景などさまざまだが、作品には子どもの発達が顕著に表れている。例えば、中国の8歳男児は、サッカーの試合を上空から見たように描いた。展開図描法といい、図式期と呼ばれる4〜8歳の絵画表現の特徴だ。

 インドの8歳男児の作品「お母さんの愛」は子どもの大きさより何倍も大きく母親の上半身が描かれている。自分の興味や関心があるものを大きく描く誇張表現で、やはり図式期の絵画表現の1つとされる。

 学生たちは、絵から見て取れる発達の特徴を「鑑賞ガイド」のパンフレットにまとめ、配っている。ガイドには、赤は「元気いっぱい」、ピンクは「幸せ、優しい気持ちのとき」、青「もの静かで集中力がある」などと色使いによって異なる心理状況も示した。

 企画した岩本一希さん(19)は「子どもを育てているお母さんをはじめ、いろいろな人に楽しんでもらえる」。山上久雄さん(19)も「各国の子どもの色の使い方を見てほしい」と来場を呼び掛ける。

 開館は平日午前9時〜午後6時(土曜は午後1時)。日曜祝日と24、2月21、23日は休館。会場のL棟(ラーニングコモンズ)は昨年12月にオープンした地域に開放している施設で、今後もイベントが予定されている。

(2015年1月23日 中日新聞朝刊市民版より)
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