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2014.11.25
都市養蜂 広がる輪 名学院大生 5年目の活動終え越冬作業
名古屋学院大経済学部(熱田区熱田西町)の学生有志による都市養蜂の取り組み「みつばちプロジェクト」の5年目の活動が終わった。今年は10月に同大で「全国学生養蜂サミット」を開催し、各地の学生、高校生らが集まるなど取り組みが拡大。環境保全と地域の活性化につながることから、来年度以降も続ける考えだ。 (戸川祐馬)
白鳥公園近くの5階建て校舎の屋上。エアコンの室外機や太陽光パネルが並ぶ一角にミツバチの木箱が置かれている。防護服に顔を覆う面布(めんぷ)をかぶった学生が、箱をバーナーで熱して害虫を駆除したり、箱に新聞紙を入れたりする。「越冬の準備です」と水野晶夫教授(51)が説明する。
プロジェクトは2010年、大学近くの名古屋国際会議場で「生物多様性条約第10回締約国会議」(COP10)が開かれたことがきっかけで始まった。農薬に敏感なハチの活動を通じて、身近な自然を学べ、商品開発を通じて地元の日比野商店街の活性化にもつながると考えたからだ。
2、3年生の有志が5万匹を飼い、月1回、蜜を採取。商店街の店もハチミツを使ったラスクやアイスクリーム、ハイボール、チーズケーキを商品化し、今では各店の看板メニューになった。蜜の元になる花がある白鳥庭園は農薬の使用をやめた。大学と商店街、地元の小学生が蜜の元になる花を植えるなど環境整備も進んだ。
初めての養蜂サミットには北海道から京都までの大学や高校など6団体が参加。ミツバチを越冬させる際の工夫や商品開発の取り組みなどを発表し合い、情報を共有した。名古屋学院大は他よりも早く取り組みが始まった先進団体。それでも3年の伊藤大輝さん(20)は「まだまだ学生でもできることがたくさんあると分かった」と実感する。
取り組みは他の地域にも広がり、笠寺観音(南区)、柳原通(北区)の商店街と愛知商業高校(東区)、長者町地区(中区)などでもミツバチを用いた街づくりをしている。
水野教授は「養蜂は大人も子どもも関心を持ちやすい。さまざまな行事などを通じて、養蜂の意義を広く伝えていきたい」と話している。
【都市養蜂】 ビルの屋上などでミツバチを飼う養蜂。ミツバチは箱から半径2、3キロの範囲にある公園や街路樹の花から蜜を集める。花までは高い所を飛ぶため住民にとっても安全とされる。季節によって蜜を採取する花が変わるため、1年を通して違う蜜の味を楽しめるのも特徴。
(2014年11月25日 中日新聞朝刊市民版より)
白鳥公園近くの5階建て校舎の屋上。エアコンの室外機や太陽光パネルが並ぶ一角にミツバチの木箱が置かれている。防護服に顔を覆う面布(めんぷ)をかぶった学生が、箱をバーナーで熱して害虫を駆除したり、箱に新聞紙を入れたりする。「越冬の準備です」と水野晶夫教授(51)が説明する。
プロジェクトは2010年、大学近くの名古屋国際会議場で「生物多様性条約第10回締約国会議」(COP10)が開かれたことがきっかけで始まった。農薬に敏感なハチの活動を通じて、身近な自然を学べ、商品開発を通じて地元の日比野商店街の活性化にもつながると考えたからだ。
2、3年生の有志が5万匹を飼い、月1回、蜜を採取。商店街の店もハチミツを使ったラスクやアイスクリーム、ハイボール、チーズケーキを商品化し、今では各店の看板メニューになった。蜜の元になる花がある白鳥庭園は農薬の使用をやめた。大学と商店街、地元の小学生が蜜の元になる花を植えるなど環境整備も進んだ。
初めての養蜂サミットには北海道から京都までの大学や高校など6団体が参加。ミツバチを越冬させる際の工夫や商品開発の取り組みなどを発表し合い、情報を共有した。名古屋学院大は他よりも早く取り組みが始まった先進団体。それでも3年の伊藤大輝さん(20)は「まだまだ学生でもできることがたくさんあると分かった」と実感する。
取り組みは他の地域にも広がり、笠寺観音(南区)、柳原通(北区)の商店街と愛知商業高校(東区)、長者町地区(中区)などでもミツバチを用いた街づくりをしている。
水野教授は「養蜂は大人も子どもも関心を持ちやすい。さまざまな行事などを通じて、養蜂の意義を広く伝えていきたい」と話している。
【都市養蜂】 ビルの屋上などでミツバチを飼う養蜂。ミツバチは箱から半径2、3キロの範囲にある公園や街路樹の花から蜜を集める。花までは高い所を飛ぶため住民にとっても安全とされる。季節によって蜜を採取する花が変わるため、1年を通して違う蜜の味を楽しめるのも特徴。
(2014年11月25日 中日新聞朝刊市民版より)