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中日新聞掲載の大学記事

2014.08.28

どまつり 知多半島からも 日福大・小畑さん 指導役で成長 頂点狙う

 国内最大級の踊りの祭典「第16回にっぽんど真ん中祭り」(どまつり)が、29日から31日まで、名古屋・栄の久屋大通公園をメーンに、知多地域を含む20会場で開かれる。国内外の209チーム、約2万人が演舞を披露する。知多地域から出場するチームや会場となる住民らの思いは熱い。

 海をイメージした青い衣装の集団の中で、ひときわ激しく跳躍する。日本福祉大(美浜町)の学生ダンスチーム「夢人(むじん)党」代表で、3年の小畑宏さん(20)。開幕を間近に控え、誰よりも元気な声を上げる。

 福井県若狭町出身。高校時代はボート部に所属し、踊りとは無縁だった。そもそも、どまつりを知らなかった。2年前、入学したとき上級生に誘われて何げなく入った。初めは何をするチームかも分からず、周りに流されるまま踊り手の1人として、その夏の舞台に立った。

 スポットライトのまばゆい光、一糸乱れぬ動き。夢人党は最終日、栄の中心部で開かれたファイナルコンテストに進んだ。その年1番の踊りを決める大舞台。多くの人が押し寄せ、会場は歓声に包まれた。

 だが、「演舞そのものはあまり記憶に残っていない」と小畑さん。心を奪われたのは、仲間と一緒に踊る達成感だ。「演じ終わった後、仲間と感動を分かち合った。それだけは一生忘れられない」

 その後は気持ちを入れ替え、昼夜を惜しんで練習に没頭。栄の舞台が人生を変えた。
 
 もともと体を動かすのは得意だったが、指先まで気を配りながら腕を振るなど柔らかい表現は苦手。ほかのメンバーの動きを研究したが、小畑さんは「思うように体が動かないもどかしさを感じ、ずっと自信が持てなかった」と明かす。

 2年生になり、下級生らの指導役の1人になった。団体競技の経験がない小畑さんにとって、協力して1つの目標を目指すことは新鮮に映った。「チーム全体を盛り上げる立場になりたい」。代表に名乗りを上げた。

 夢人党には107人が所属し、結成12年の歴史がある。2005年には、どまつりで最高の大賞も獲得。だが小畑さんは、いまひとつ物足りなさを感じていた。「もっと熱意を持てば、もっといい舞ができるはず」。率先して声を出し、よい動きをしたメンバーをたたえることに徹した。全体をよく見渡すことで、自分もチームも踊りにキレが生まれた。

 昨年、一昨年は入賞したものの、大賞は逃した。「今年こそは頂点に行くぞ」。小畑さんがメンバーに呼び掛けると、一斉に「おー」と雄たけびが上がった。(前田寛季)

(2014年8月28日 中日新聞朝刊知多版より)
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