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中日新聞掲載の大学記事

2009.01.11

酒の空き瓶10円で回収 名大院研究室NPOと合同社会実験

 日本酒などの空き瓶を砕かずに再利用すれば、もっと環境にやさしくなる。そんなシステムを普及させようと、名古屋大大学院環境学研究科の竹内恒夫教授の研究室が、中区の環境NPO「中部リサイクル運動市民の会」と合同で、規格にあった「Rマーク」瓶を10円で買い取る社会実験をしている。 (藤野治英)

砕かずに再利用『Rマーク』知って

 日本酒などの空き瓶を砕かずに再利用すれば、もっと環境にやさしくなる。そんなシステムを普及させようと、名古屋大大学院環境学研究科の竹内恒夫教授の研究室が、中区の環境NPO「中部リサイクル運動市民の会」と合同で、規格にあった「Rマーク」瓶を10円で買い取る社会実験をしている。 (藤野治英)

 「Rマーク」瓶は日本ガラスびん協会(東京)が規格を統一し、リターナブル(返却可能)の英語の頭文字を模したマークがつく。砕いて溶かすリサイクル(再生)より、環境への負荷を減らせるとして、1993年に登場した。

 2007年は2400万本を出荷した。日本酒が過半数を占める。だが知名度は低く「本当に再利用されているのか、実は分かっていない」と担当者は言う。

『リサイクルステーション詣でを』

 竹内教授は「浸透しないのは身近なところに瓶を返す場所がないから」と考えて、市内全16区の46カ所で資源ごみを回収する「リサイクルステーション」を運営している市民の会に協力に依頼、快諾を得た。

 関係者の共通した考えは「回収が習慣付けば苦にならない」。例えばビール瓶は、大手5社でつくるビール酒造組合(東京)によると、9割以上を回収、再利用している。

 今回の社会実験では、再利用には同じサイズの瓶をそろえた方がいいとして、対象を流通量が多い300−900ミリリットルの日本酒と焼酎の空き瓶に限った。ただ、実験自体がまだ知られていない。

 竹内教授は「空き瓶を手に、近くのステーション詣でを。10円でよりいい気分になれますよ」と左党に協力を呼び掛ける。実験は2月まで続け、成果は専門誌や学会などで発表する。

 ステーションの開催日程はホームページで確認できる。「中部リサイクル運動市民の会」で検索。

(2009年1月11日 中日新聞朝刊市民版より)
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