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中日新聞掲載の大学記事

2014.07.29

気仙沼の離島に貸自転車を 名城大生 900キロ チャリティーの旅へ

 東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市の離島・大島にレンタル用の自転車を贈ろうと、名城大(名古屋市天白区)の学生2人が、募金を呼び掛けながら名古屋から約900キロ離れた大島を目指す自転車の旅に出る。現地の観光業を応援するためで「多くの人に自然豊かな大島の魅力を発信したい」と意気込んでいる。(社会部・木下大資)

 2人は経済学部4年の山本創平さん(21)と中島崇晴さん(21)。震災のあった2011年に入学し、大学が主催する復興支援ボランティアなどでこれまでに9回、大島を訪れてきた。

 大島は「緑の真珠」とも呼ばれる周囲24キロ、人口3000人の島。観光と漁業が主要産業だが、津波が運んだがれきで砂浜が覆われるなどして打撃を受けた。震災直後は気仙沼港と島を行き来する船が失われて孤立する事態も経験し、現在は本土との間で架橋工事が進んでいる。

 橋は18年に完成予定で、フェリーで25分かかる今より往来がはるかに便利になる。半面、観光客が日中の短い時間だけ車で訪れるようになり、島の旅館や飲食店の利用が減るのではと心配されている。

 山本さんは「自転車で島を回れば、長く滞在したくなる魅力を見つけてもらえる」と考えた。現地の観光協会が貸し出している15台の自転車は繁忙期には足りなくなることもあり、新たに20台を贈る計画を立てた。

 2人は9月1日に名古屋を出発し、10日間かけて大島まで移動する道中、道の駅などで募金を呼び掛ける。20台を買うための目標額は30万円で、寄せられた全額を自転車購入費に充てる。

 2人とも本格的な自転車の経験はない。夏休みに入り、1日に100キロ程度をこぐ練習を重ねている。「大島の人たちの温かさに触れて学生生活が大きく変わった。恩返しをしたい」と山本さん。中島さんは「応援してくれる人たちの思いを大島に持っていくため、最後まで走りきりたい」と話している。

 募金は振り込みでも受け付ける。問い合わせはメール=cyari3t_oshima@yahoo.co.jp=へ。活動の様子を伝えるフェイスブック(交流サイト)は「チャリ・チャリ・チャリティー」で検索。

(2014年7月29日 中日新聞夕刊1面より)
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