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2014.05.11
まばたき感知 無料アプリ 愛工大准教授 重度障害者意思伝達に
愛知工業大情報科学部(愛知県豊田市)の鳥居一平准教授(メディア情報専攻)が、重度の障害などにより言葉や身ぶりで思いを伝えられない人向けに、目のまばたきを感知してコミュニケーションを支援するアプリ「あいとーく」を開発した。従来の意思伝達装置は高額なものが多いが、アプリはタブレット端末「iPad(アイパッド)」で使用でき、一般に無料で提供している。(豊田支局・橋詰美幸、写真も)
iPadの画面に映し出された50音表の上をカーソルが自動で動き、使い手がまばたきで選ぶのを内蔵カメラがとらえる仕組み。目を閉じるまでの動きなどを毎秒数十枚の画像でとらえることで、目の乾きを防ぐ短いまばたきか、意識的に行う長いまばたきかを判定する。
正確に判定するには専用の高性能カメラが不可欠で現在普及する同様の装置は数10万〜100万円以上するのが一般的。鳥居准教授らは目を閉じるまでだけでなく、再び開くまでの動きをとらえることでタブレット端末の内蔵カメラでも判定できる方法を考え出した。
鳥居研究室はこれまでに自閉症や言語障害がある人向けに、画面を指で触り単語を選択するスマートフォン用アプリを開発。今回も瀬戸特別支援学校(愛知県瀬戸市)の教諭から依頼され、生徒の協力を得て開発を進めてきた。
進行性の神経筋疾患で、多くの患者が自然な発話が難しくなる筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者団体「日本ALS協会」(東京都)の金沢公明事務局長(63)は「自分の思いを伝えることができないのは、当人にとって相当のストレス。持ち運びできるのもよく、期待したい」と話した。
アプリはホームページ(「あいとーく」と「iPad」を入力して検索)からダウンロードできる。
【意思伝達装置】 重度障害者のコミュニケーションに欠かせない補装具として、2006年から行政の補助対象に。補助制度を利用すれば購入費用の自己負担は原則1割だが、補助の上限は45万円。自治体によって補助対象の要件も異なり、購入の障壁になっている。厚生労働省によると、意思伝達装置の新規購入件数は毎年、500件ほど。
(2014年5月11日 中日新聞朝刊1面より)
iPadの画面に映し出された50音表の上をカーソルが自動で動き、使い手がまばたきで選ぶのを内蔵カメラがとらえる仕組み。目を閉じるまでの動きなどを毎秒数十枚の画像でとらえることで、目の乾きを防ぐ短いまばたきか、意識的に行う長いまばたきかを判定する。
正確に判定するには専用の高性能カメラが不可欠で現在普及する同様の装置は数10万〜100万円以上するのが一般的。鳥居准教授らは目を閉じるまでだけでなく、再び開くまでの動きをとらえることでタブレット端末の内蔵カメラでも判定できる方法を考え出した。
鳥居研究室はこれまでに自閉症や言語障害がある人向けに、画面を指で触り単語を選択するスマートフォン用アプリを開発。今回も瀬戸特別支援学校(愛知県瀬戸市)の教諭から依頼され、生徒の協力を得て開発を進めてきた。
進行性の神経筋疾患で、多くの患者が自然な発話が難しくなる筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者団体「日本ALS協会」(東京都)の金沢公明事務局長(63)は「自分の思いを伝えることができないのは、当人にとって相当のストレス。持ち運びできるのもよく、期待したい」と話した。
アプリはホームページ(「あいとーく」と「iPad」を入力して検索)からダウンロードできる。
【意思伝達装置】 重度障害者のコミュニケーションに欠かせない補装具として、2006年から行政の補助対象に。補助制度を利用すれば購入費用の自己負担は原則1割だが、補助の上限は45万円。自治体によって補助対象の要件も異なり、購入の障壁になっている。厚生労働省によると、意思伝達装置の新規購入件数は毎年、500件ほど。
(2014年5月11日 中日新聞朝刊1面より)