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中日新聞掲載の大学記事

2008.11.27

東海学園大 13季ぶり愛知大学野球1部昇格 一丸の猛練習実る

 今秋の愛知大学野球リーグで2部2位の東海学園大(愛知県三好町)が、1部5位の愛産大との入れ替え戦を制し、2002年秋以来となる13季ぶりの1部昇格を決めた。来春からの1部は全選手もちろん初体験。だが3年生以下が主力となり、猛練習でつかみ取った夢の1部参入に、選手たちは、やる気満々だ。

今春まで4季連続の3部降格ピンチをバネにした
強豪と勝負に胸を躍らせる

 夢だった1部リーグ昇格の切符を一気につかんだ。「今春まで4季連続で下(3部リーグ)の入れ替え戦に回っていたのにね。でも、その悔しさがバネになったかな」と鈴木保監督(48)は選手の頑張りに目を細めた。

 この秋はチームに3人だけ残っていた4年生と、主力の2、3年生の力がかみ合った。主戦左腕の西口卓生投手(4年・四日市工出)が5勝と大活躍。最初のカードの星城大3回戦で、ドラフト候補だった林冬樹投手(西濃運輸に就職内定)と延長10回に及ぶ投げ合いを制して勝ち点をもたらし波に乗った。優勝した愛大を除けばカードの初戦で勝ち、入れ替え戦では初戦で、愛産大の主戦・井田との投げ合いを1−0で制した。

 打線も奮起し、倉田と山口が2部リーグの打率2位と3位を獲得。昇格を決めた入れ替え戦第2戦では、田中が決勝の逆転三塁打を含む3打数3安打と活躍した。鈴木監督の「初球から積極的に行け、振らなきゃ何も始まらない」という教えがようやく浸透してきた。

 愛知県・三好キャンパスにある専用球場は現在、改修工事中。だが、外野に人工芝が敷かれた立派なグラウンドは一足早く完成し、選手たちは毎日午後10時すぎまで練習に意欲的に取り組んだ。「言い訳を許さない」鈴木監督の方針で、ノックや打撃練習は全員参加。レギュラーもメンバー外の部員も平等に練習機会が与えられる中で、お互いを高め合ってきた。「3年生を中心に上を目指そうと、ようやくまとまりが出てきた」と鈴木監督は成長を話す。

 前回の1部リーグは中京大など5大学のリーグ脱退騒動による“繰り上げ”に近いもので、その後、リーグ復帰した愛工大にあっけなく1部の座を譲り渡した。だが、今回は実力で勝ち取った、だけに、胸を張って1部の強豪に立ち向かう。主将の橋本瑞記一塁手(3年)は「本当にやっていけるか不安はあるけど、今までやってきたことを変える必要はない。さらに内容をレベルアップさせたい」と意気込んだ。 (田中一正)

(2008年11月27日 中日スポーツ10面より)
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