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2014.02.15
中古車 衝撃吸収機器 計測装置 開発へ 会宝産業、金沢工大教授共同
自動車リサイクルの会宝(かいほう)産業(金沢市)は、金沢工業大の森本喜隆教授(生産工学)と共同で、中古車の足回り部品であるショックアブソーバー(衝撃吸収機器)の性能を計測する装置を開発する。年内の完成を目指す。産学連携により数値で品質を評価し、信頼を高めた部品を国内外に出荷する。森本教授は学生の卒論テーマで指導しながら取り組む。
同社は中古車エンジンの適切な国際取引を主導。昨年10月には英国規格協会による規格「PAS777」を世界で初めて取得した。回転圧力を調べる独自の計測装置を運用しており、評価証付きだと1〜2割高く取引されるという。新たにショックアブソーバーでも性能を数値化する。
これまでは運転してみてがたつき具合を調べたり、油が漏れていないか目視で確認したりしていた。より正確に計測できる装置の開発を金沢工大に持ちかけた。年間2万〜3万個扱うため、台の上で振動させるなど流れ作業が可能な計測装置を想定している。
中古車部品は業者が乱立し、品質に関係なく低価格で取引される傾向がある。近藤典彦社長は「中古品の商品価値を高めれば、他社と差別化できる」と語り、量から質の取引への転換を目指す。
森本教授は「機械工学科の卒業論文テーマにするので、新4年生に手を上げてもらう」と話し、工作機械の制御や振動解析といった大学の研究を実用レベルで生かす。丸1日かけるレース車の計測システムを応用し、10分間程度で測れるようにする。 (村上豊)
(2014年2月15日 北陸中日新聞朝刊30面より)
同社は中古車エンジンの適切な国際取引を主導。昨年10月には英国規格協会による規格「PAS777」を世界で初めて取得した。回転圧力を調べる独自の計測装置を運用しており、評価証付きだと1〜2割高く取引されるという。新たにショックアブソーバーでも性能を数値化する。
これまでは運転してみてがたつき具合を調べたり、油が漏れていないか目視で確認したりしていた。より正確に計測できる装置の開発を金沢工大に持ちかけた。年間2万〜3万個扱うため、台の上で振動させるなど流れ作業が可能な計測装置を想定している。
中古車部品は業者が乱立し、品質に関係なく低価格で取引される傾向がある。近藤典彦社長は「中古品の商品価値を高めれば、他社と差別化できる」と語り、量から質の取引への転換を目指す。
森本教授は「機械工学科の卒業論文テーマにするので、新4年生に手を上げてもらう」と話し、工作機械の制御や振動解析といった大学の研究を実用レベルで生かす。丸1日かけるレース車の計測システムを応用し、10分間程度で測れるようにする。 (村上豊)
(2014年2月15日 北陸中日新聞朝刊30面より)