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中日新聞掲載の大学記事

2008.11.19

名城大『エコ・キャンパス』づくり 校内山林を里山に 可児 環境のまち リーダー育成

 可児市虹ケ丘の名城大学都市情報学部の学生が、敷地内の山林で里山づくりに取り組んでいる。広い山林を有効利用し、汗を流した経験に鍛えられた環境まちづくりのリーダーを育てようとの試みだ。(小川邦夫)
 同学部の敷地14ヘクタールのうち10ヘクタール以上が山林だが、開設以来13年間手付かずで荒れ放題。「もったいない」との声もあり、子どもの自然体験学習などに活用できる里山として再生しようと7月、「エコ・キャンパス」計画が始動した。

 「都市問題を考える上で里山は欠かせないキーワード」と話す小池聡教授(48)=地域計画論=の呼び掛けにゼミ生らが応え、「里山クラブ可児」(松下義人代表)の支援で月1回作業する。

 日光も差し込まない雑木林や竹やぶに分け入り、時には蚊やハチと格闘。黙々と慣れないのこぎりを振るい、人の歩ける道を開く。

 11月まで5回の作業で切り開いた面積は全体の0.1%にも達していない。気の遠くなる作業だが、小池教授は「これから作業が進めば里山らしい風景に変わり、学生の意欲も変わってくる」と楽観的だ。

 初回から参加している3年の田中裕道さんは「不思議な達成感。エアコンの利く大教室で講義を聴くよりいい」。同じく伊藤博紀さんは「市民グループの人たちから植物や山に関する貴重な話が学べる」。

 「ツツジなど季節の花を楽しみ、アケビやキノコ収穫、カブトムシなど昆虫採集ができる里山を目指す」と話す小池教授。とはいえ、確たる全体像を描いているわけではない。

 「学生たちには都市問題を自分たちのフィールドワークを通じて解決したいという意欲があるはず。今後は彼らがリーダーシップをとり、サークル活動のように自主的に里山づくりを盛り上げていってほしい」と、学生たちの「目覚め」に期待を寄せている。

(2008年11月19日 中日新聞朝刊東濃A版より)
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