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2014.02.05
名大リケジョ、菌と闘う 緑膿菌実験担当の白瀧さん
名古屋大大学院などの研究チームが、緑膿(りょくのう)菌の増殖を抑える研究成果を発表したのは1月28日。くしくも理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子さん(30)が新たな万能細胞の作製を発表した日と同じだった。チーム7人のうち唯一の女性で大学院生の白瀧千夏子さん(28)は、時の人となった小保方さんの姿に「若手女性研究者の活躍する姿に勇気づけられた」と話す。(北島忠輔)
6年前、信州大から名大大学院に進学。研究分野を生物から化学の世界に移した。小保方さんも化学から再生医療への転身組。「インパクトは全然違います」と控えめに話すが、緑膿菌の研究では、増殖を抑えるフタロシアニンという色素分子を混ぜて培養する、核心部分の実験を担った。
実験を始めたのは4年前。試験管を揺らす日々を「暗闇の中を手探りで進む毎日だった」と振り返る。緑膿菌の殺菌は抗生物質の投与が主流。実験データをもとに論文を書いたが、認められるか不安だった。化学誌に提出してから3カ月後に届いたコメントには「現象の証明が足りない」とあった。
突貫工事で、緑膿菌が増殖する度合いを示す実験を繰り返した。「カビの研究をしていた大学時代の経験が役立った」と振り返る。
こつこつ続ければ、いつかは花開く。違う分野への挑戦はプラスになる。小保方さんの姿は、そのまま自分の歩みに重なる。
就職を前に、次の一歩を悩んでいるという白瀧さん。世界が注目した小保方さんの活躍を目の当たりにし、「世界の不思議を探求していきたい」という気持ちが高まるのを感じている。
(2014年2月5日 中日新聞朝刊30面より)
6年前、信州大から名大大学院に進学。研究分野を生物から化学の世界に移した。小保方さんも化学から再生医療への転身組。「インパクトは全然違います」と控えめに話すが、緑膿菌の研究では、増殖を抑えるフタロシアニンという色素分子を混ぜて培養する、核心部分の実験を担った。
実験を始めたのは4年前。試験管を揺らす日々を「暗闇の中を手探りで進む毎日だった」と振り返る。緑膿菌の殺菌は抗生物質の投与が主流。実験データをもとに論文を書いたが、認められるか不安だった。化学誌に提出してから3カ月後に届いたコメントには「現象の証明が足りない」とあった。
突貫工事で、緑膿菌が増殖する度合いを示す実験を繰り返した。「カビの研究をしていた大学時代の経験が役立った」と振り返る。
こつこつ続ければ、いつかは花開く。違う分野への挑戦はプラスになる。小保方さんの姿は、そのまま自分の歩みに重なる。
就職を前に、次の一歩を悩んでいるという白瀧さん。世界が注目した小保方さんの活躍を目の当たりにし、「世界の不思議を探求していきたい」という気持ちが高まるのを感じている。
(2014年2月5日 中日新聞朝刊30面より)