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中日新聞掲載の大学記事

2008.10.29

『時間と体力の限り研究』 豊田工業大文化功労者の榊副学長

 28日公表された本年度の文化功労者に県内で唯一選ばれた豊田工業大副学長の榊裕之氏(64)は、「大変光栄に思っている。一層努力するようにとのメッセージととらえている」と喜びを語った。

 榊氏は、約10ナノメートル(ナノは10億分の1)四方の極めて小さな空間に電子を閉じ込めると、電子に新しい性質や機能が生まれることを明らかにし、物質科学や固体物理学、電子工学にまたがる分野を開拓した。

 成果は高性能の記憶媒体や大規模集積回路などの開発に生かされている。「まだまだやるべきことは多く、時間と体力の続く限り研究に打ち込みたい」と意気盛んだ。

 教育者、副学長としての立場から「今の社会は知的な挑戦に対する価値観を共有できていない。次の世代がチャレンジできるように力や情熱を伝えていくのが課題だ」と熱く語った。

 榊氏は名古屋市出身。名古屋大付属高を卒業後に東京大に進んだ。同大学教授などを経て2007年4月に豊田工業大教授となり、同時に副学長に就任した。

 (北村剛史)

(2008年10月29日 中日新聞朝刊県内版より)
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