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中日新聞掲載の大学記事

2008.10.12

中部大 春秋連覇王手

 優勝を懸けた直接対決は、中部大が愛院大に延長11回、5−4でサヨナラ勝ちし、春秋連覇に王手を掛けた。12日の2回戦でストレート勝ちし、勝ち点を奪えば、春の初優勝に続き、2度目の優勝が決まる。中部大は0−3の6回に、6安打で一気に4点を奪って逆転。9回、同点に追いつかれたが、延長11回1死二、三塁で有我友佑遊撃手(3年・各務原)が決勝の左犠飛を打った。愛産大は名城大に5−3で先勝した。

劇的延長サヨナラ

 春の王者の勝負強さを、中部大が最後に見せつけた。延長11回、三塁走者の寺村がサヨナラ勝ちのホームに頭から滑り込むと、ナインが本塁に駆け寄って、春秋連覇王手の喜びに沸いた。

 「先に点を取られたけど、あきらめずに良い雰囲気で試合ができた」と主将の小西。春も優勝の要因になったチームの勢いと爆発力が表れたのは、6回の攻撃だった。

 代打・江本が右前適時打で1点を返す。指名打者制度がない秋のリーグ戦は代打の切り札と“ベンチの応援団長”に徹する春の主砲の一打が、チームに火を付けた。1死後には浅野の右前打から、試合をひっくり返す怒とうの4連打。4点目の逆転適時打を放った寺村は「江本さんが打つと盛り上がる。3点取られて変なプライドがなくなって、楽な気持ちで打てた」と目を細めた。同点にされ延長戦になってもベンチのムードは変わらず、サヨナラ勝利につながった。

 「試合の流れは完全に向こうに行っていたのに4点取るなんて。良いゲームをして勝てたのは大きい」と善久裕司監督(50)。春は強敵・愛院大に王手をかけられた後に、連勝しての逆転優勝。だが、秋は前季チャンピオンらしく、先に王手をかけた。「春のこともあるので締めていきたい」と、立場が逆になり気を引き締めるが、連覇の手応え十分な1勝に顔も思わずほころぶ。

 創部から昨年までの42年間、1部リーグでの優勝がなかったチームが、過去5校しか成し遂げていない春秋連覇も目前にした。「自分たちの野球をやって勝ちにいきます」と主将の小西は、新たな歴史を築くことを高らかに宣言。勢いに乗って一気に優勝を決めたい。(田中一正)

小川投入も黒星 愛院大

 中部大にV王手をかけられ、愛院大はがけっぷちに立たされた。先発・溝口からの継投策が裏目に出て逆転を許したあと、9回に同点に追いつき、試合は延長戦へ。主戦・小川を救援に出してまで勝利にこだわったが、サヨナラ負け。主将の本田は「明日(12日)勝たないと意味がない。きょうしっかり反省して、自分たちの野球をするだけ」と険しい表情。

▽1回戦(中部大1勝)
愛院大 10001100100―4
中部大 00000400001x―5
(延長11回)

▽1回戦(愛産大1勝)
名城大 000300000―3
愛産大 20000300x―5

愛産大・青山監督
(2−3と逆転されたが、6回に再逆転。井田−寺田の投手リレーで逃げ切って)「井田が序盤をきっちり抑えてくれたのが大きい。やっとウチの持ち味が出せるようになった」

(写真)愛院大−中部大 延長11回裏中部大1死二、三塁、有我のサヨナラ犠飛で生還する寺村。捕手北園=瑞穂球場で

(2008年10月12日 中日スポーツ11面より)
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