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中日新聞掲載の大学記事

2013.07.04

愛教大 渡辺教授、新種発見と保護めぐり 16日講演

 愛知県豊明市などに自生する絶滅危惧種の食虫植物「ナガバノイシモチソウ」の赤い花を、日本固有の新種と突き止めた愛知教育大(愛知県刈谷市)の渡辺幹男教授が16日、市民や学生向けに講演する。地域と連携して成し遂げた世界的な発見を報告し、保護活動への理解を呼び掛ける。(岡村淳司)

 ナガバノイシモチソウの赤い花は、豊明市と豊橋市にしか自生していない。これまで東南アジアに広く分布する植物と同種と考えられていた。昨年12月に渡辺教授のグループがカンボジアを現地調査し、遺伝子型の違いなどから、日本の赤い花が新種と分かり、3月の日本植物分類学会で発表した。

 発見者に学名を付ける権利があるため、豊明の名を冠して「ドラセラ トヨアケンシス」と命名。年明けに発表する論文で正式決定する見通しだ。

 ナガバノイシモチソウは、地下水汚染などで激減したが、豊明市では地域ぐるみで自生地を保護。今では2000株まで回復し、市が毎年夏に一般公開している。渡辺教授は「ナガバノイシモチソウは保護しないと絶滅してしまう。多くの人が自生地を見に来て、関心を持ってくれたら」と話す。

 講演は、愛教大アカデミックカフェの一環。演題は「ナガバノイシモチソウの不思議」で参加者の質疑にも答える。大学本部棟3階の第5会議室で午後5時15分から。入場無料。(問)愛知教育大秘書広報課=電0566(26)2738

(2013年7月4日 中日新聞朝刊県内総合版より)
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