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中日新聞掲載の大学記事

2013.03.05

しあわせ探る商店街映画 道徳通を舞台に大同大生が製作

■動画サイトで公開「地元盛り上げたい」

 大同大情報学部(南区)の学生13人が、地元の道徳通商店街を舞台にした短編映画「しあわせのかたち 商店街が教えてくれた」を製作し、動画サイト「ユーチューブ」で公開している。市の商店街活性化事業を利用した試みで、2月中旬には商店街でも上映した。学生たちは「地元を盛り上げたい」と話しており、商店主らも「学生に社会勉強の場を提供できた」と満足げだ。(蜘手美鶴)

■「心が温かくなる」

 「ここ(商店街)はものを売り買いするだけじゃない。世間話をしたり、笑い合ったり、心が温かくなる空気がある。商店街は生きている」。映画の終盤、商店街存続のため奔走した主人公の男性が、自分なりに商店街の「意味」を見いだすシーンだ。

 映画は約20分で、道徳通商店街に立ち退き話が持ち上がったとの設定。買収を進める不動産会社で働く主人公が、呉服屋を継いだ幼なじみと再会し、仕事と個人的な感情の板挟みになりながら、最後は商店街のために奮闘するストーリーとなっている。

 「映画で地元の活性化に協力できないか」と昨夏、大同大の杉本幸雄准教授ゼミの2〜4年の学生らが、市商店街連携支援事業に応募した。昨年11月に3日間かけて撮影し、関係者や住民約40人もエキストラ出演。2月初めに完成した。

■交渉、調整も学生が

 撮影場所選びや店との交渉などは、すべて学生が担当。自分たちで名刺を作り、商店主らと撮影交渉やスケジュール調整を重ねた。編集担当の4年、石原ひとみさん(22)は「お店を回って撮影時間の変更を伝えたり、細かな調整をお願いしたり。『そこを何とか!』という言葉が役に立ちました」と笑顔で振り返る。

 脚本を書いた4年の正木洋太さん(21)は「商店街を実際に歩いて感じた、お店の人たちの人情を脚本の前面に出したいと思った」と話す。

 2月半ばには商店街の映画祭で上映され、地元関係者が鑑賞。現在も、ユーチューブのサイト上で「しあわせのかたち、道徳通商店街」と検索すれば見ることができる。

 道徳通商店街振興組合の三浦秀夫理事長(66)は「店との交渉などを学生に経験させることができた。映画を見た人に、少しでも商店街に足を運んでもらえたらうれしい」と話している。

(2013年3月5日 中日新聞朝刊市民版より)
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