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中日新聞掲載の大学記事

2012.12.14

J2松本内定 中京大 中村 “ゴリゴリ”ゴールで12年ぶりVを

■全日本大学サッカー19日開幕

 サッカーの全日本大学選手権(インカレ)が19日、関東の4会場で開幕する。昨年、準決勝で涙をのんだ中京大(東海第2代表)は、埼玉県で明大(関東第2代表)との初戦を戦う。チームの中核はJ2松本への入団が内定している主将のFW中村亮太(4年)。強靱(きょうじん)なフィジカルと高い決定力でゴールを陥れるアタッカーは「大学での最後の試合。自分の得点で優勝を勝ち取りたい」と闘志をみなぎらせる。

■強い体幹、得点への執念 元日本代表の水戸・鈴木タイプ

 12年ぶりの頂点へ、中村はゴールへの嗅覚を研ぎ澄ましている。「前を向いた時の突破力が自分の持ち味。最近はあまり得点がないから、大会までに調子を上げないと」。中京大の躍進には、この男の奮起が欠かせない。

 チームでは4−2−3−1のトップ下か左サイドのアタッカーを務める。朝倉吉彦監督(31)は中村のスタイルを「ゴリゴリ系」と表現。「よく分からないけど、何となく相手を突破して何となくゴールを奪う。うまく理解できない選手」と笑う。似たタイプとして元日本代表FWの鈴木隆行(36)=J2水戸=を挙げる。

■DFからFWに

 少々の当たりでは崩れない体幹の強さ、華麗さはなくとも泥くさくゴールを奪う執念。生粋の点取り屋に映る中村だが、実は高校時代まではDFだった。50メートル走6秒0のスピードやシュート力を見込まれ、大学2年時に攻撃的なポジションにコンバートされた。

 「最初は戸惑ったけど、前の方がやっていて楽しいし、自分にも合っていると思った」。才能が花開いたのは2年夏。総理大臣杯で3得点を挙げ、チームの全国準優勝に貢献した。「あの大会で結果を出せたことが自信になった」。遅咲きのアタッカーは、その年に全日本大学選抜に選ばれるまで成長した。

 だが、昨年4月には右膝の膝蓋(しつがい)骨を骨折。8カ月間にわたりプレーができず、ビデオ撮影など裏方も経験した。「本当にもどかしかったけど、あの経験でサッカーへの思いが強くなった」。初めてと話す大けがの経験は、中村を精神面でも大きくした。新チームの主将も任され、力強いプレーと声出しで周囲の雰囲気を引き締めている。

 子どものころからの夢だったプロ入り。「早くチームになじんでプロで点を取りたい」と見据える一方、インカレでの活躍を手土産にするつもりだ。大学最後の大舞台へ、中村は貪欲にゴールだけを狙っている。 (青山直樹)

■初戦は難敵・明大

 初戦でぶつかる明大には、3月の練習試合で3−4と敗れている。朝倉監督は「明治は全体的にうまい選手がそろっている。特にFWの能力が高い」と警戒。難敵だが、全国大会をにらみ磨いてきた縦に速い攻撃で勝負を挑む。「もちろん目標は頂点。決勝の国立の舞台で戦いたい」と闘志を燃やしている。

 ▼中村亮太(なかむら・りょうた) 1991(平成3)年1月28日生まれ、名古屋市出身の21歳。178センチ、70キロ。高杉中時代には名古屋FCに所属し、U−14日本代表に選ばれた。中京大中京高では1、2年時に全国高校選手権に出場。大学2年時には全日本大学選抜にも選出された。目標とする選手はフランス代表のFWベンゼマ。

(2012年12月14日 中日スポーツ10面より)

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