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中日新聞掲載の大学記事

2012.09.05

福島の芸術祭に出品 愛教大卒の若手漆造形グループ 復興へ思い重ね

■参加型作品 「小さな力集め大きな力に」

 漆工芸の伝統を生かした制作活動に取り組む若手造形集団「ウルシオール」が、福島県で6日に始まる「会津・漆の芸術祭」に出品する。東海3県から唯一の参加で、作品には東日本大震災からの復興に向けた願いを込めた。(川原田喜子)

 会津名産である漆器と町並みの魅力を伝えようと、2010年に始まった漆の芸術祭。会津若松市と喜多方市内の蔵や店舗など計39カ所が展示場になる。今年は全国から80組が参加する。

 ウルシオールは刈谷市の李美怜さん(27)、豊田市の深津玲実さん(26)と川澄綾子さん(26)、今回は多忙で不参加の名古屋市港区の中村孟志さん(26)で10年に結成。愛知教育大造形文化コースを卒業した友人同士で、会社勤めなどをしながら制作を続けている。

 昨年の芸術祭を訪れ、まちに漆の作品があふれる様子に感動し、出品を目指した。招待枠が多く、公募は10組程度。40組以上の応募から選ばれた。会津若松市内の雑貨店に展示する。

 作品名は「あしあと」。色合いが違う漆を12層、塗り重ねた60センチ四方の木製パネル7枚を、店外の柵にはめ込んで飾る。来場者に紙やすりで削ってもらい、下の層の色を浮かび上がらせる趣向。漆工芸では珍しい「参加型作品」だ。

 1人1人が削った「あしあと」を残し、大勢で完成させるところに「小さな力が集まれば復興へと歩む大きな力になる」という思いを込めた。

 芸術祭は11月23日まで。作品の変化はインターネット動画放送「ユーストリーム」で中継もする。(問)李さん=電090(6573)7756

(2012年10月5日 中日新聞朝刊18面より)
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