愛知大学野球秋季リーグ（中日新聞社後援）第３週第１日は１５日、愛知県日進市の名商大グラウンドで１部の１回戦２試合を行い、愛院大が愛大に１−０、愛産大が名城大に３−０でそれぞれ先勝した。

　愛院大は５回に沢亀の中前適時打で先制。先発萩原は７安打を浴びながら、得点を許さなかった。愛産大は１回２死１、２塁から、松尾の右前適時打で１点を奪うと、４回、６回にも１点ずつを挙げた。先発湧川は散発４安打に抑え、完封した。

■けがから復帰　沢亀が千金打

　けがから復帰したばかりの愛院大の沢亀は、心に決めていた。「自分がチームに良い流れをもたらす」。言葉通りの活躍を攻守でみせた。

　０−０の均衡が続いた５回。１死１、２塁の好機で打席が回ってくる。「ストライクは全部打つ」。チェンジアップにタイミングを外されながらも中前に運び、先制点をたたき出した。

　直後の６回の守り。２死２、３塁でつまった打球が左翼へ飛んだ。「一瞬やばいと思ったけど、試合前日のミーティングで球際は攻めようと話し合っていた」。頭から飛び込んで見事に捕球し、得点を防いだ。

　愛院大は開幕週で愛産大に連敗し、４季ぶりに勝ち点を逃していた。８月中旬に左手人さし指を骨折した沢亀は、ベンチで仲間を見守るしかなかった。だからこそ、屈辱から２週間ぶりとなるこの試合に懸けていた。

　「気持ちが入っていた」と伊藤監督にたたえられた４年生は「連続優勝を止めるわけにはいかない。毎試合ベストを尽くすだけ」。６連覇に向け、貴重な戦力が戻ってきた。　（杉山直之）

◇名商大（愛院大１勝）
愛大　０００００００００―０
愛院大　００００１０００ｘ―１

◇同（愛産大１勝）
愛産大　１００１０１０００―３
名城大　０００００００００―０

（2012年9月16日　中日新聞朝刊25面より）