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中日新聞掲載の大学記事

2008.08.16

北京五輪 「金」信じ家族ら声援 伊調千春、吉田沙保里選手

 【北京=砂本紅年、久下悠一郎】金メダルの期待がかかるレスリング女子48キロ級の伊調千春選手と55キロ級の吉田沙保里選手を応援しようと16日、地元の愛知、三重県などから家族や関係者ら百数十人が試合会場に駆けつけ、決勝進出を見届けた。

 2人の出身校、中京女子大(愛知県大府市)の後輩らは、吉田選手と伊調姉妹の名前入りTシャツで応援。中京女子大付属の至学館高校1年の伊藤彩香さん(15)は「めっちゃヒヤヒヤしたけど、千春さんなら勝ってくれると信じていた」と声を弾ませた。

 谷岡郁子学長は「思い切り暴れてこい。何が起きたとしても、私にとってあの子たちは世界一」と、ほっとした表情で見守っていた。

 吉田選手の地元・津市一志町からは、両親ら親族、知人らが多数駆けつけた。父・栄勝さん(56)が自宅で主宰するレスリング教室の子どもたちも、吉田選手そっくりの似顔絵や今年1月に敗れてストップした連勝記録にちなむ「119」の数字が背中に入ったそろいの黄色いTシャツ姿で応援した。

 吉田選手の応援歌を歌う歌手の佐藤嗣典さん(27)は「五輪の舞台ではプレッシャーが段違いだろうが、集中して」と期待。吉田選手の母・幸代さん(54)は「最初は硬さがあったが、自分の試合をつくっている」と話し、客席から手を振り続けた。

「決勝も期待」 吉田選手の恩師らエール

 吉田、伊調千の両選手がそろって決勝進出を決め、2人の出身校である中京女子大や、吉田選手の地元・津市では、喜びと期待の声が上がった。

 吉田選手の応援実行委員会の会長を務める生川介彦(いくかわよしひこ)さん(72)=津市高野尾町=は自宅でテレビ観戦し「初戦は少し緊張も見えたが、冷静に戦えている」。ポイントをうまく積み重ねる危なげない戦いぶりに「徐々に調子を上げてきた。決勝でどこまで力を発揮するか楽しみだ」と力を込めた。

 吉田選手の父、栄勝さんが開く「一志ジュニアレスリング教室」に小学2年から中学3年まで通ったレスリング仲間の長江祐介さん(24)=津市一志町其倉=は「練習を頑張っていた姿を思い出す。金メダルを信じてます」。

 吉田選手が久居高校3年の時の担任福岡昌允さん(61)=津市川方町=は「頼もしさを感じる。決勝もやってくれると信じています」とエールを送った。

 中京女子大では、両選手の決勝のため、午後4時から学内に大型スクリーンを設け応援観戦会を開く。学生課の斉藤良太さん(60)は「そろって決勝を決めてくれた。2人とも金メダルが取れるよう、みんなで力いっぱい応援したい」と早くも盛り上がる。観戦会は学生のほか地域住民にも開放する。

(写真)女子55キロ級でカナダの選手を破り決勝進出を決めた吉田沙保里選手=16日、中国農大体育館で(鵜飼一徳撮影)

(2008年8月16日 中日新聞夕刊12面より)
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