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2012.08.03
衝突危機 無線で警告 愛知工科大教授が実験 交差点「出合い頭」を回避
無線機を利用し、信号のない交差点で発生する自動車同士の出合い頭の衝突を防ぐ研究を、愛知工科大工学部(愛知県蒲郡市)の宇野新太郎教授(56)が進めている。自動車に搭載した無線機で交差点を通る他の車の存在を知らせる仕組み。警察庁によると、車同士の出合い頭の衝突事故のうち、信号のない交差点での事故が全体の7割を占め、実用化されれば事故の大幅減少が期待される。
宇野教授は昨年10月から今年1月にかけ、蒲郡市内の県道で「ジグビー」と呼ばれる市販の無線機を使って実験した。信号のない交差点の路上にジグビーの親機、通行する2台の車のダッシュボードに縦2センチ、横3センチの子機を設置。車内で子機をパソコンにつなぐと、交差点の近くを通るもう1台の車が発信する無線を受信し、画面に警告表示が出た。
無線機を使って事故を減らす実験は、総務省などが首都圏や名古屋市などで進めている。対象は信号機のある比較的大きな交差点。大容量で高速通信が可能な機種を使うため、普及には高額の費用がネックとなる。
一方、宇野教授が着目したジグビーは通信速度が遅いものの、消費電力が少なく、総務省が採用する機種に比べて設置費を10分の1以下に抑えられる。通信速度の遅さは、交差点の親機の近くに中継機を置いて無線が伝わる範囲を広げることで補った。
宇野教授は「信号のない交差点は数が多く、安価なジグビーに適している。将来的にはカーナビに搭載したり、自転車に子機を取り付けるなど技術を応用していきたい」と話す。
(2012年8月3日 中日新聞朝刊29面より)
宇野教授は昨年10月から今年1月にかけ、蒲郡市内の県道で「ジグビー」と呼ばれる市販の無線機を使って実験した。信号のない交差点の路上にジグビーの親機、通行する2台の車のダッシュボードに縦2センチ、横3センチの子機を設置。車内で子機をパソコンにつなぐと、交差点の近くを通るもう1台の車が発信する無線を受信し、画面に警告表示が出た。
無線機を使って事故を減らす実験は、総務省などが首都圏や名古屋市などで進めている。対象は信号機のある比較的大きな交差点。大容量で高速通信が可能な機種を使うため、普及には高額の費用がネックとなる。
一方、宇野教授が着目したジグビーは通信速度が遅いものの、消費電力が少なく、総務省が採用する機種に比べて設置費を10分の1以下に抑えられる。通信速度の遅さは、交差点の親機の近くに中継機を置いて無線が伝わる範囲を広げることで補った。
宇野教授は「信号のない交差点は数が多く、安価なジグビーに適している。将来的にはカーナビに搭載したり、自転車に子機を取り付けるなど技術を応用していきたい」と話す。
(2012年8月3日 中日新聞朝刊29面より)