名商大と中部大が雪辱。両カードとも対戦成績は１勝１敗のタイとなり、勝負を７日に瑞穂球場で行われる３回戦に持ち越した。名商大はリーグ戦初登板の森真心（もり・まさし）投手（１年・日大東北）が２番手で５イニング無失点と好投してリーグ戦初勝利。試合は３−２で愛工大に競り勝った。中部大は辻翔太右翼手（３年・福井工大福井）の３点本塁打などで愛大に６−４で勝利した。

■初登板＆初勝利

　名商大・中村順司監督（６５）の秘蔵っ子が期待に応えた。先発・新美の後を受けて、５回から２番手登板した１年生・森が粘投。５イニングを散発３安打無失点に抑えて、リーグ戦初登板で初勝利までものにした。

　「緊張したけど程よい程度。チームのためにもゼロで抑えたかった」と森。中村監督も「初ものだから愛工大は戸惑ったのでは。タイミングを外して、うまく打たせていた」と新人の好投を喜んだ。

　日大東北高時代の恩師は中村監督の長男である中村猛安監督。進路は勧誘された東京の強豪大学を有力候補としていたが、昨年６月に練習見学に来た中村監督の指導を受け、「教え方がうまかった。いい監督のもとで成長できると思った」と名商大進学に傾いた。

　最速１４１キロの速球と縦に大きく曲がるスライダーが武器。入学したばかりで環境の変化にまだなじめず、本来の直球の威力が戻っていないという。だが、走り込みを続けて現在は上り調子。この日は緩急を巧みに使って相手打線を封じた。

　「いいスタートを切れた。早くチームの中心として投げられるように頑張りたい」と森。３年生右腕・大野に頼りがちだった名商大投手陣の新戦力となりそうだ。　（麻生和男）

■辻３ランで貢献

　中部大の５番・辻が３回に３点本塁打を放ち、勝利に大きく貢献した。今春は不調に陥り、好機で凡退を繰り返した。２打数無安打で途中交代した５日の１回戦後は大学のグラウンドに戻り、３時間に渡って打ち込んでいた。「手応えはあったけど、まさか入るとは・・・。バットを思い切り振ることだけを考えた」と好感触をつかんだ本塁打を喜んだ。

▽２回戦（１勝１敗）
中部大　１０３００２０００―６
愛大　２０００００１１０―４
本塁打　辻（部）

▽２回戦（１勝１敗）
愛工大　０２０００００００―２
名商大　０１０２００００ｘ―３
本塁打　松ノ木（商）

（2012年5月7日　中日スポーツ6面より）