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中日新聞掲載の大学記事

2011.12.10

メタンガス 稲わらから回収 春日井 名城大農場で実験始まる

■収穫後の水田が「新エネ工場」に

 水田に混ぜた稲わらから発生させたメタンガスをエネルギーとして利用する取り組みの実証実験が愛知県春日井市の名城大付属農場で始まった。収穫後の田んぼを利用する「食とエネルギーの二毛作」を目指す試みだ。名城大大学院農学研究科の田村広人教授や平野達也准教授らが取り組む。

 実験では、稲刈りが終わった田んぼに粉状にした稲わらを埋めて水を張る。微生物が稲わらを分解し、メタンガスを発生させる仕組み。大阪市のシート製造会社との共同研究で、メタンガスは水の表面にビニール製のシートを張って集める。田んぼは広さ10アール。3年間の実証実験で課題を探りその後、農家に導入を働きかけていく計画だ。

 メタンガスは二酸化炭素の21倍に上る温室効果がある。水田の土には通常稲わらが残っており、稲の栽培時にもメタンガスが発生して問題化。稲刈り後の田んぼで稲わらを完全に分解してしまえば、栽培時にメタンガスが出ずに環境保護にも役立つという。

 田村教授は「計算上は1ヘクタールの水田から民家2、3軒分のエネルギーを取り出せる」と期待する。

(2011年12月10日 中日新聞朝刊31面より)
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