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学生活動  2025.09.10

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和菓子業界 盛り上げたい! 梅ジャムどら焼き開発

梅ジャムを挟んだどら焼きを開発した中京大の土井さん(右)と店の3代目の南谷さん=千種区新西の「栗の屋本家」で

梅ジャムを挟んだどら焼きを開発した中京大の土井さん(右)と店の3代目の南谷さん=千種区新西の「栗の屋本家」で

■中京大生が企画、千種区の店とコラボ

 中京大経営学部の学生3人が、千種区新西の和菓子店「栗の屋本家」と協力し、梅ジャムを挟んだどら焼きを開発した。「学生発の商品で、和菓子業界を盛り上げたい」との思いに店側が共感。新商品は店などで順次販売されることになった。(寺田結)

 はちみつが香るふんわり生地に、さわやかな梅ジャムが相性ぴったり。梅は大学を運営する学校法人梅村学園の敷地内で実ったものを使い、砂糖とともにじっくり煮詰めた。さらに、口溶けなめらかな白こしあんが梅の酸味を引き立てる。

 新商品の企画を主導するのは、大学の茶道部長で3年の土井鼓太郎さん(21)。中高4年間のニュージーランド留学で日本文化の魅力にあらためて気づき、大学入学後に茶道を始めた。日常的に和菓子に親しむ中、ニュースで和菓子店の廃業が増えていると知る。

 「このままだと伝統が失われる」。危機感を持った土井さんは、ゼミ仲間の宇野樹さん(20)と梅村陸斗さん(21)に声を掛け、和菓子離れを食い止めるべくチームを結成。学生発の商品開発のもようをインターネットで発信しつつ和菓子の魅力を伝えようと決め、栗の屋本家に5月、企画を持ち込んだ。

 店側も業界の危うさを感じていた。「出張販売で若い人が見向きもしてくれない」と言うのは、3代目の南谷隆之さん(27)。家族行事での需要も減る中、創作和菓子づくりや、ワインとのペアリングの紹介に取り組んでいた中での提案だった。「思いは同じ。やるしかない」と協力を快諾した。

 梅村学園にちなみ、まずは梅の使用を決定。さらに、皆になじみがあり、日持ちするという条件を踏まえてどら焼きにした。完成品は「甘すぎずさっぱりとしていて、親にも好評。広い年代に愛されるはず」と土井さん。「3時のおやつなど、特別な日でなくても和菓子を楽しむきっかけになれば」と願う。

 店では10月ごろから、1個200円で販売予定。クラウドファンディングサイトMakuake(マクアケ)の「応援購入」で、9月29日まで先行販売もしている。

(2025年9月10日 中日新聞朝刊市民版より)
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