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中日新聞掲載の大学記事

2011.11.27

名工大「翼会」希望の旅立ち 航空工学科OBが解散宣言

■座談会、9人思い出語る

 名古屋工業大に終戦直後まで9年間だけあった航空工学科の同窓会「翼(つばさ)会」が解散を決めた。航空工学科卒業生の男性9人が「発展的解消」を記念した座談会を名工大で開き、戦中だった在学当時の思い出を語り合った。 (中村禎一郎)

 航空工学科は戦争の規模拡大で航空戦力の拡充が叫ばれる中、名工大の前身「名古屋高等工業学校」に1939(昭和14)年4月にできた。名古屋大より1年早く、国内2番目の開設だった。その後、航空機科や第二類機械科と改称し、終戦後、連合国軍総司令部(GHQ)による航空機製造禁止を受けて廃止された。

 この間、540人が入学し、421人が卒業した。しかし、戦争による学年短縮や勤労動員で3年間のカリキュラムがしっかりと守られたことはなかったという。

 廃止後も年2、3回集まり、会合を開くなどして卒業生の親睦を図ってきたが、高齢化が進み、定期的に総会を開くことが難しくなっていた。

 22日の座談会に出席した9人は82〜89歳の4〜7期生。発起人の三浦芳郎さん(85)=名古屋市瑞穂区=が「座談会を一つの区切りにしたい」と解散を宣言した。

 出席者らは、航空機増産で工場に駆り出されたことや、空襲で風洞実験室が燃えたことなどを順に話し「名工大に航空科を再建してほしい」「この大学に宇宙開発の講座ができたらうれしい」などと言い、後輩たちに希望を託した。

(2011年11月27日 中日新聞朝刊県内総合版より)
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