美浜町奥田の日本福祉大で５日、「命を守る教師の仕事」をテーマにした講演会があり、岩手県陸前高田市広田小学校の浜口智教諭（５０）が、東日本大震災の発生から現在までの取り組みや児童らの様子を語った。

　２００８年度に新設した子ども発達学部が本年度、初の卒業生を出すことを記念して企画。被災地の子に文房具などを送る学生有志「こたレンジャー」の活動を通じて浜口さんと交流が始まり、講演会が実現した。

　教員を目指す学生ら１００人を前に、浜口さんは津波からの避難の様子を「子どもたちを怖がらせないよう、冗談を交えながら励まし続けた」と振り返り、学校や学童保育の再開、児童の心の変化を説明。「津波が奪った人々のつながりを取り戻すまで、支えて続けてほしい」と呼び掛けた。

（2011年11月7日　中日新聞朝刊尾近知総合版より）